生かそう小規模基本法
「基本計画策定は責務」支援求め市交渉=愛知県連
名古屋市との交渉で基本計画の策定を求める太田県連会長
愛知県商工団体連合会(県連)と名古屋市内の7民主商工会(民商)は7月17日、小規模企業振興基本法(小規模基本法)に基づく基本計画の策定などを求め、名古屋市交渉を行いました。太田義郎県連会長、各民商の会長はじめ、役員・会員、事務局員ら40人が参加。4月の地方選挙で過去最高の議席を得た日本共産党の12人の市議全員が同席しました。
小規模基本法は14年6月に施行され、自治体が小規模企業の振興に関し、施策を策定・実施する責務を明記したもの。太田県連会長が基本計画の策定を求める要望書を手渡し、各部局との交渉に入りました。
要望書に対する事前の文書回答で、市が「(小規模基本法に基づく基本計画は)特段、策定しておりません」と答えたことを受け、5人の参加者が発言。今の商売の実情や周りの業者の実態を告発し、あらためて小規模事業者の振興をうたった基本計画の策定を求めました。
名古屋南民商の三浦孝明副会長は、自分の工場の周りで営業時間を早めた喫茶店や夜アルバイトに行っている美容院、売り上げが激減している修理工場、スナックが少なくなってお客が減った婦人服店などの実態を紹介。小規模企業への積極的な支援、計画の策定を強く求めました。
しかし、市側は「これまでもやってきたし、これからもやっていくので特別に考えていない」と回答。会場からは「それは基本法の考え方と違う」「法律では施策の策定は自治体の責務とされている」と厳しい批判の声が上がりました。
同時に今、国が自治体に今年12月までに策定を求めている「総合戦略」の名古屋市の「意見交換会」に「民商の代表も含めてほしい」と要請しました。
交渉では、名古屋北部の会員が固定資産税は昨年度の第1期分以外は納税していたのに、まともな対応もせず5000円しかない預金を差し押さえた問題を追及。「担当者は早急に対応する」と約束しました。
リフォーム助成実施を 交渉で市が検討約束=愛媛・今治
愛媛・今治民主商工会(民商)は7月13日、住宅リフォーム制度の創設を求め、今治市と交渉しました。小野裕二会長はじめ5人が参加し、日本共産党の山本五郎市議も同行しました。
今治市では、一昨年の9月議会でリフォーム助成制度を創設する運びとなっていたものの、中断。担当者が変わったため、制度を取り入れている近隣自治体の状況を説明し、再度要請しました。
建設部長は「市長からも、よい制度だから創設している自治体に問い合わせるように言われている。耐震の制度と合わせて考えたい」と話しました。
参加者は「周辺自治体では、地域の業者の仕事おこしとして、業者も利用者も申請しやすい制度になっている。3年間限定で始めたところも利用者の多さから引き続き制度を継続している。職員も住民に喜ばれているとうれしそうに話す」と近隣自治体でリフォーム制度が歓迎されている状況を説明。「現在行っている耐震診断補助事業はまだ利用者が少ない。無理やり合わせるのではなく、リフォームをしたいという人に耐震診断を勧めるなど、市民の目線に立って、利用しやすく喜ばれる制度を考えてほしい」と、創設を強く要請しました。
全国商工新聞(2015年8月10日付) |