拡充求めて市議会で陳述 議員の関心高まる=鹿児島・奄美
役員会などで商店リニューアル事業の学習を進めてきた奄美民商
鹿児島・奄美民主商工会(民商)は「商店版リニューアル助成制度」の拡充を求めて、市に陳情書を提出しました。2月20日には市議会委員会で江崎貞信民商会長=園芸=が意見陳述を行いました。地域の特性や小規模企業振興基本法(小規模基本法)に基づく視点からの発言に対し、委員から質問が出されるなど、注目を集めました。
奄美市は昨年、中心商店街にある店舗を対象に、リフォームにかかる費用の2分の1(上限50万)を補助する支援制度を開始。民商は陳情で「地域全体の業者への支援を」と求めました。
委員会での意見陳述で、江崎会長は「奄美は2年後に世界自然遺産登録をめざしている。多くの観光客を迎えるために中心商店街だけでなく地域全体の底上げが必要」と発言。小規模基本法パンフを委員に配り、「いま頑張っている事業者たちが商売を継続していくことに意味がある」と強調しました。
自治体担当者は「すでに住宅リフォームも行っており、商店まで実施すると予算規模が大きくなり財政的に厳しくなる」「中心商店街に人を集めようと支援制度を作っているので、補助を広げると人が集まらなくなってしまう」など懸案事項を列挙。一方で、「中心商店街にだけ補助があるのは不公平との意見ももらっている」と実情も話しました。
財政的な課題もあり継続審査となりましたが、8人いる委員の多くから「小規模基本法の話がもっと聞きたい」「自分の地域で商店リニューアルへの補助があったら喜ばれる」など質問や意見が相次ぎました。終了後には自治体担当者から「住宅リフォーム制度もはじめは継続審査だった。頑張ってほしい」と激励の言葉を掛けられました。
江崎会長は「継続審査にはなったが、委員の反応は良かった。民商として継続して議会に働き掛け、ぜひ実現したい」と話していました。
全国商工新聞(2015年3月30日付) |