地域の業者支援に 地方創生交付金=神奈川県連
地域業者・住民のためになる地方創生交付金活用を求めた神奈川県連の鎌田会長(左から2人目)ら
神奈川県商工団体連合会(県連)は11日、国の「地方創生交付金」活用について県と緊急に懇談を行い、地域業者・住民のためになる事業の実施を求めました。鎌田保県連会長、吉田二三夫副会長、三浦謙一県連事務局長が参加し、産業労働局総務室の企画調整担当課長が応対しました。
神奈川県は地方交付金活用事業に45億7932万円を計上。黒岩祐治県知事は、2月26日の県議会で、県内のホテルや旅館で使える「ふるさと旅行券」などメーンの観光消費拡大事業に27億円、専用のオンラインショッピングサイト創設による県産品の消費拡大に6億円の予算を充てることを明らかにしていました。
神奈川県連は、交付金を地域での消費喚起と県民生活の支援施策に生かすため、「旅行券は富裕層の誘導ではなく、現在ある地域の伝統地場産業活性化や仕事おこしと一体となった振興につながるものに」「住宅リフォームや店舗・町工場を対象にした助成制度の創設」などを要望しました。
県は「地方創生交付金は『域内消費は市町村』『域外消費は県』と明確な住みわけがある。どうやってより多くの人を神奈川に呼び込むかが課題」と発言。「旅行客に商店街での買い物を勧めるコースをつくることなどはできる」と話しました。
鎌田会長は「地域社会の担い手である中小業者が生き生きと暮らし仕事ができる環境をつくってほしい。他にはない技術をもっている職人たちが後継者もなく辞めている」と要望。県は「後継者不足は深刻。Iターンなどで神奈川にきた人に仕事を斡旋し、3カ月分の給料を半分負担する事業などを考えている」と答えました。
吉田副会長は「小規模企業振興基本法(小規模基本法)の視点を交付金活用に生かせないか」と提案。「地域業者を励まし、お客さんに来てもらうためにも看板やテーブル、トイレなどの修繕補助などが求められている」と訴えましたが「域内消費は市町村の仕事。小規模基本法の計画や条例の見直しなど、県としては別の事業でしっかりやっていく」と答えるにとどまりました。
また、横浜市のプレミアム商品券が市商店街総連合会加盟の正会員でないと使えないなどの問題点も指摘しました。
県連では各自治体の交付金活用内容をつかみ、必要な申し入れを行うよう民商に呼び掛けています。
全国商工新聞(2015年3月23日付) |