大阪で初 住宅リフォーム助成=大阪・藤井寺
大阪府藤井寺市は4月に住宅リフォーム助成事業を創設、6月から事前申請の受け付けを始めます。大阪府内で初めての制度創設。藤井寺民主商工会(民商)が、3年にわたって粘り強く要望を続けていたもので「仕事おこしの運動がようやく現実のものとなった」との声が業者から上がっています。
この制度は「地域経済の活性化を図り、居住環境の向上を図ること」などが目的。居住の住宅(分譲マンションも含む)を市内の業者と契約し、30万円以上のリフォーム工事をした場合、工事費の10%(上限10万円)を助成するもの。対象工事は住宅の増改築、改装、屋根のふき替え、基礎、床暖房の設置工事、ドア、ふすまの交換などと幅広く「使い勝手のいいもの」となっています。予算は500万円。予定枠を超えた場合は抽選となります。
制度創設に向け大きな転機になったのは、10年2月に民商が独自に開催した「営業と暮らしを守れ!危機突破!藤井寺集会」でした。藤井寺市は飲食店と建築関係が多い街ですが、不況のあおりで業者が激減。この危機を打開しようと開いたもので、市、医師会、歯科医師会、区長、商工会、政党などを訪問、共同の申し入れを行うとともに、市に対しては景気対策の施策を講じるよう要望。國下和男市長とも懇談し、住宅リフォーム助成制度などの実現を迫ってきました。
当初「個人の財産に税金は投入できない」と対応していた市ですが、リフォーム助成の経済効果などを繰り返し説明。昨年10月の懇談では、國下市長が「この制度を否定する要素はない」と前向きに回答し、議会でも日本共産党の議員が実現を求め、今年3月議会で市長が「経済対策として住宅リフォーム助成制度を創設する」と約束、今回の実現に至ったものです。
原田孝夫会長は「危機突破集会後、民商の商工フェアにも藤井寺市や羽曳野、富田林市などが後援に名を連ねるなど大きな変化が生まれてきている。こうしたことも大きな力になった。リフォーム助成は予算が500万円と少ないが、これをもっと増やし、さらに近隣の自治体にも広げていきたい。大阪府初のことだけに責任も感じている」と話しています。
全国商工新聞(2012年5月28日付) |