住宅リフォーム助成 制度創設へ民商が奮闘
住宅リフォーム助成制度の実施が相次いでいます。予算額に達した自治体でも追加予算を計上し、継続して実施しています。助成額に対する経済効果も高く、地域住民や地元建設業者に喜ばれています。各地の取り組みを紹介します。
住宅リフォーム助成 継続実施に補正予算=新潟・上越、富山・新川
新潟県上越市と糸魚川市は9月定例議会に住宅リフォーム助成制度の継続実施に向けた補正予算を提案します。経済対策として発表したもの。
上越民主商工会(民商)は8月24日、追加実施を求める要望書を上越市に提出。糸魚川支部は建築組合や連合会役員を訪問し、継続審議を求める運動を呼びかけていました。
上越市は5000万円の予算で受付期間は10月17日〜10月31日。予算額を超えた場合は抽選になります。10万円を上限に20%を助成するもので今年度は5月9日から受け付けが始まり、初日に700件の申し込みがありました。
糸魚川市は3000万円の予算で、初申請者は10月11日から受け付け(以前に補助を受けた人は11月1日から)。予算額に達した時点で締め切られます。
10万円を上限に3分1を助成。昨年10月4日にスタートし、10日余で申請者が380人を超え、受け付けを終了。急きょ、第2段をスタートさせました。
いずれも助成額の数倍の工事額が発生するなど経済効果が表れ、民商会員をはじめ地元建築業者の仕事確保につながりました。
富山・新川民主商工会(民商)は8月12日、住宅リフォーム助成(補助)事業の継続と補助対象の拡充を求めて魚津、黒部の両市に申し入れました。水木正和会長、橋本文一常任理事らが参加。
両市で今年4月から実施された同制度は7月末で予算を上回る申し込みがあり、大好評でした。
魚津市への申し入れでは、澤崎義敬市長が応対し、「7月中に当初予算4000万円を上回る申し込みがあり、工事総額は4億5000万円と10倍以上の経済効果があった。素晴らしい制度なので年度途中で打ち切るようなことはしたくない」と表明。「9月議会に4000万円の追加補正を提案し、来年度の継続については関係業界ともよく話し合って積極的に考えたい」と答えました。
黒部市では都市建設部の澤田悦郎次長が「補助金額の20倍もの工事が生まれ驚いた。財政部とは来年度以降も継続する方向で話し合いたい。対象の工事の見直しも検討したい」と述べました。
役員会では制度を会内外に広く知らせ、他自治体でも制度を創設させようと話し合っています。
▽魚津市の助成事業
・助成額 20万円以上の工事の20%を助成(限度額は20万円)
・対象 屋根、外壁、室内のリフォーム、バリアフリー工事、手すり取り付け、トイレ・洗面所・浴室・台所の改修工事、天井・壁・床の断熱工事、アルミサッシ、玄関ドア、畳取り替え(表替え)、カーペット敷き込み、床クッションフロアー張り、住宅改修を伴う下水接続工事、間取り変更工事、床暖房工事、ドア・襖・障子・建具の交換、住宅修繕に伴う電気・配管工事など
▽黒部市の補助事業
・助成額 一律5万円(20万円以上の工事)
・対象 住宅の増改築、給排水・換気・電気・ガス設備工事、屋根のふき替え・塗装、屋上防水工事、外壁張り替え・塗装・吹き付け工事、床材・内壁材・天井材の張り替えまたは塗装などの内装工事、床・壁・天井・屋根の断熱改修工事、外部・室内建具取り替え工事、手すり設置、段差解消、廊下幅拡幅などのバリアフリー改修工事、浴槽・バスユニット・洗面台、シャワーの改修工事、キッチンユニットの取り替え工事(ディスポーザー設置工事に伴うものは対象外)など
全国商工新聞(2011年9月12日付) |