民商の提言実り、大阪府吹田市が造園ダンピング防止へ最低制限価格などを導入=大阪・吹田民商
大阪府吹田市は3月23日、造園業務のダンピング受注問題を受け「土木部所管の道路、公園及び緑地等に係る除草・剪定業務の入札及び単価契約の改正について」を発表、関係業者に送付しました。
同文書は、(1)ダンピング防止策として、「最低制限価格」制度を導入すること(2)市内本店業者育成策として、除草業務と予定価格1000万円以下の除草・剪定等業務については市内に本店のある業者の一般競争入札とすること(3)市内小規模事業者育成として、受注回数制限を設定(市内本店業者は年3回、その他の業者は年2回)-と、多くの業者に仕事が回る仕組みを導入しました。
公園等補修業務ほか(単価契約)についても資本金等で区別することなく、希望する小規模事業者も見積もり合わせに参加できるようにするなど、大筋で、市内本店業者の要望に応えるものとなっています。
また、契約検査室は「吹田市市内事業者及び準市内事業者の認定に関する要領」を策定・公表しました。これは、「形だけの事務所を置いている」業者を入札参加資格の認定から排除し、「市内事業者の受注機会を拡大する」ことを目的とするものです。
市は、1月から訪問による実態調査も行い、要綱の策定に至りました。
吹田民主商工会(民商)では、市外からの参入などにより、市が発注する造園業務で大幅なダンピング受注が起きているという業者からの相談を受け、独自に調査や資料収集を行い「予定価格の30%前後が適正価格と言えるのか」と「適正価格」や「市内業者への優先発注」などを求めて運動を進めてきました。
造園業者らは「私たちの声が市役所に届いた」と歓迎しています。
この改正を受け、同民商では造園業者の会議を開催。役員体制を確立し運動を継続していくことを確認しました。
造園業者の待遇改善はそこで働く労働者や、下請け業者の待遇改善につながり、地域住民の快適な環境にもつながるものです。
会議では、「産業振興条例やビジョン2025があってよかった」「この制度を定着させるために今後も勉強しながら進めたい」などの感想や、「吹田市から仕事をもらう以上、自覚した仕事をしていきたい」という決意も表明されました。
民商ではこの運動が地域住民の皆さんに支持されるようにしていきたいと考えています。
全国商工新聞(2017年4月10日付) |