市発注工事労務単価 社保料払える金額に ”中抜き”監視徹底すると市長が回答=埼玉・川口民商
奥ノ木市長(右から4人目)に要望書を手渡す岩瀬会長
中小業者への施策拡充と地域経済の振興を求め、埼玉・川口民主商工会(民商)は先ごろ、奥ノ木信夫・川口市長に要請書を手渡し、懇談しました。岩瀬晃司会長をはじめ副会長、事務局長など6人が参加。日本共産党の金子幸弘、井上薫の両市議が同席しました。
岩瀬会長らは、小規模事業者を支援することを自治体の責務として明確にした「小規模企業振興基本法」(14年6月成立)に触れながら、振興計画を立案する審議会の設置を求めるとともに、「小規模事業者が集まった民商の代表を、審議会の一員として参加させてほしい」と要望しました。
また、商店街の活性化や建設業者らの仕事おこしにつながる商店リニューアル助成制度の創設、法定福利費を含んだ下請け契約を行うよう求めました。
奥ノ木市長は、民商の審議会委員について「経歴書を提出してもらえれば、前向きに検討する」と回答。商店リニューアル助成については「商店向けのリフォーム助成金の創設などを進めている」と答え、制度創設に向け大きな一歩を踏み出していることが明らかになりました。
事業者の間で大きな問題になっている社会保険料問題では、「市発注の工事については、末端の業者が社会保険料を払える労務単価で予算を立てる。中間業者で保険料がなくなってしまわないよう、監視を徹底する」と約束しました。
市税の納税相談で、民商役員や事務局員が同席する問題については「納税者に対する守秘義務もある」としながらも、「納税状況の説明を補佐するのなら」と、排除ありきではない、との姿勢を示しました。
また、雇用のバックアップ対策として、「小企業にも大企業並みの退職金制度や、福利厚生を受けられるような施策を検討したい」と話しました。
参加者からは「小規模事業者の切実な実態を市長に直接伝えることができた」「小企業施策で地域経済を活性化させるということでは、市長の考えと一致していることが確認できたのではないか」などの感想が出されました。
全国商工新聞(2017年2月6日付) |