市発注の工事で元請けが代金未払い 名古屋市に指導要求=北名古屋民商
元請けの下請け工事代金の未払いを解決しようと打ち合わせする「不払いを追及する会」のメンバー
愛知・北名古屋民主商工会(民商)は7月14日、愛知県商工団体連合会(県連)、尾張東部民商と共同し、名古屋市が発注した工事で、下請け業者に工事代金を払わない元請け業者に対し、市として支払いを命令するよう要望しました。日本共産党の山口清明、斉藤愛子、岡田ゆき子の3人の名古屋市議が同席しました。
問題の元請け会社は株式会社ケイテック(本社・名古屋市中区)。名古屋市発注の工事をこれまで何度も受注。しかし下請け業者への代金の未払いが問題になっていた会社です。
民商と被害者でつくった「不払いを追及する会」が下請け業者から聞き取り調査したところ、14年以降だけでも、市発注工事6件で総額7500万円の未払いがあり、このうち下請け業者に対する未払いは3760万円に上っていることが明らかになりました。
この調査結果をもとに民商・県連は「工事代金の未払いについては、市が責任を持って対応すること」「苦情を申し立てていたにもかかわらず、市は入札と契約を続けていた。責任は重大」と迫り、市として責任を持って解決するよう迫りました。
交渉に参加した下請け業者からも「私たちは無償で市の建物を造ったことになる」「市が発注した工事だから信用して仕事を受けた。責任を取ってくれ」「材料代と人件費はすでに払った。工事代金が入金されないと、倒産しかねない」と実体を告発。下請け代金未払いが問題になっている会社に、市が公共工事を発注してきた責任を問うとともに、市が責任を持って解決するよう迫りました。
市側は「業者間の取り引きには口を挟む余地はない」としながらも「不正な文書があるかは調べる」「要望はしっかり受け止める」と答えました。
ケイテックが元請けとなった工事では、市のポンプ場建設工事を請け負った業者への600万円を超える工事代金が未払いのまま。680万円で生涯学習センターの工事を請け負った別の業者は、1年以上にわたりケイテックに支払いを求めてきましたが、姿をくらまし、さらに原材料の納入業者は、市営住宅工事に関わる代金180万円が未払いとなっています。
民商・県連は、市発注の工事について、今後市として元請けから下請けへの代金の支払い状況を確認することや、代金を支払わなかった場合、市として支払い命令を下すことができるような仕組みをつくることなどを求めていくことにしています。
全国商工新聞(2016年8月22日付) |