住宅リフォーム助成1年延長 工事世帯1割超=岩手・宮古
岩手県宮古市は2月15日、大好評の「住宅リフォーム促進事業」を2011年度も引き続き実施することを決めました。宮古民主商工会(民商)はじめ、宮古建設組合、宮古商工会議所も延長を要望していたもので、宮古市議会は全員一致で「制度の延長」を決議し、1年延長となったものです。今年度の残額予定の約5000万円を来年度に繰り越し、新たに1億円の予算措置を議会で決定しました。
市の調査 波及効果18億4800万円
リフォーム促進事業は昨年4月のスタートと同時に申請が176件と殺到し、市建築住宅課は「行列のできる」状態に。予算も3度追加され、今年度は3500件分に当たる3億5000万円規模になりました。
全国からの視察も相次ぎ、20市町村72人に及んでいます。1月31日現在の申請件数は2707件で、9世帯に1世帯(2万4336世帯)、持ち家数(1万5470戸)の6戸に1戸の割合です。
工事では、住宅の長寿命化が約7割と最も多く、高断熱化、下水道に関わる工事がそれぞれ1割弱。1件の工事高は20万円から30万円台が70%を占め、40万円を合わせると77%となり、小規模リフォームが住民の要求であることを裏付けています。
総工事高は約12億円で、交付金2億7000万円の4・4倍の直接的な経済効果が。工事高をもとに計算される地域経済への波及効果は約18億4800万円(工事高×1・55倍=岩手県産業連関表による)に上ります。
大人気の理由は、(1)20万円以上の工事で現金一律10万円の補助金のお得感(2)市が業者への説明会を6カ所で行い「業者のやる気」を引き出した(3)手続きの簡潔さ(申請書1枚だけ)に加え、代行申請OK(99%が業者申請)(4)工事着工前後の現場確認は写真だけという「手軽さ」―にあります。制度運用のため臨時職員2人を採用するなど雇用創出にもつながっています。
10万円もらえた
利用した市民は「居間の畳とフローリング工事を民商から紹介された大工さんに20万円に抑えてもらったうえ、10万円の交付金ももらえた」「400万円の工事だったが、リフォーム交付金10万円に加え住宅エコポイント17万円の合計27万円の補助が出て助かりました」などと大喜び。
信頼得られる
業者からは「相見積もりもなく、安心価格の安心工事。信頼をかちとり次の工事にもつながる」(工務店)、「悪質リフォーム会社による被害を警戒していた人も、この制度を使える地元業者ということで安心してくれる」(工務店)、「制度を使った工事を140件受けた。とにかく忙しい」(畳店)などのうれしい声が寄せられています。
市民のニーズ、業者の営業意欲、行政の市民目線がかみあい「トライアングル」効果を発揮している「宮古型リフォーム助成制度」。宮古民商では「仕事おこしに頑張る民商」を押し出し、「仲間」を迎えようと張り切っています。
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