土木工事未払い金 600万円支払わす=群馬・前橋
群馬県前橋市が発注した土木工事代金の未払いで困っていた前橋民主商工会(民商)のSさん=土木=は5月31日、元請け責任を追及して600万円の下請け代金を受け取ることができました。「下請け泣かせで苦しんでいる業者が大勢いる。皆さんのおかげで泣き寝入りせず、早期解決でき、本当に良かった。感謝しています」と話しています。
Sさんは昨年11月、(株)S工業の2次下請けとして道路改良工事を受注しました。工事代金は2751万円。3月1日までに787万円が支払われました。ところが、工事完成後、1次下請けのY工業(株)から「(株)S工業の材料代相殺で48万円の過払いが発生している」と告げられ、残りの工事代金が未払いに。Sさんは3月から従業員の給料や外注への支払いができずにいました。
そんなとき会員から民商を紹介され、5月10日に「市が発注した道路改良工事代金の一部が、元請け会社からもらえない」と相談。元請け会社が特定建設業者(注)の場合、下請け業者を保護する立場にあり、下請け代金の不払いが発生したとき、行政が特定建設業者に立て替え払いなどを勧告できることなどを知りました(建設業法41条)。
Sさんはその場で民商に入会し、役員らと一緒に前橋市契約課の指導を要請するなどの対応策を考えました。
5月12日には店橋厚事務局長や近藤好枝市議と一緒に市の契約課と交渉し、この間の経過を説明。そのときに(株)S工業が市に届けた報告書の工事金額や下請け関係などが事実と違うことが判明し、契約副参事は「このままでは今後、入札資格停止になりうる」との認識を示しました。また、1次下請けのY工業(株)も特定建設業者であることが判明。その後、市契約課と(株)S工業、Sさんの三者協議が5月27日に開かれ、(株)S工業がSさんに600万円を支払うことで和解しました。
(注)特定建設業者
発注者から直接工事を請け負い、かつ3000万円(建築一式工事の場合4500万円)以上を下請契約して工事を施工する者。
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