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  トップページ > 業種のページ > 建設土木 > 全国商工新聞 第2911号 1月25日付
 
業種 建設土木
 

建築業者が仕事確保で知恵と工夫を学びあう

 住宅着工戸数が減少するなど厳しい状況が続く中で、建築業者は仕事確保に懸命です。茨城・土浦民主商工会(民商)では「長期優良住宅」の認定を取得した民商会員が仕事を受注。新潟・新津民商では建築業者が交流会を開き、知恵と工夫を学び合っています。

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長期優良住宅の認定を受け、新築工事を手がける高橋さん(右)と平戸さん

「長期優良住宅」認定で受注拡大狙う
 「これからは耐震性や省エネ性も数値でクリアしなければ、新築住宅は建てられない。消費者の要望に応えることが必要」と話すのは、茨城・土浦民商の平戸治夫さん=建築=と高橋孝さん=建築設計。二人三脚で「長期優良住宅」の認定を取得し、新築住宅の建築を手がけています。
 耐久性や耐震性、省エネ性に優れる「長期優良住宅」(注)は「長持ち住宅」とも称され、環境への負荷を軽減する「エコ住宅」でもあります。ローン減税や固定資産税など税制面での優遇措置があり、マイホームを計画する人にとっては魅力的です。
 しかし、認定基準をクリアするためには検査機関の「適合証」と所管行政庁の「認定」を受けなければなりません。小規模工務店にとってはハードルが高く、敬遠されがち。しかし、平戸さんは「長期優良住宅」こそ受注のチャンスと考え、講習会などにも積極的に参加。高橋さんに設計図を依頼し、認定にこぎつけました。
 建築会社を7年前に定年退職した平戸さんは、合同会社「自然素材・木の家」を立ち上げ、木造住宅を建設してきました。「木の家」とネーミングした住宅は「長期優良住宅」を先取りしたようなもので、耐震性に優れ、冬は暖かく、夏は涼しいという外張断熱工法を採用。内装はすべて無垢材で仕上げています。「次世代まで住み続けられる省エネ住宅」を売りにし、これまでに27棟を建築。屋根に構造用合板を張る、断熱材の質を上げる、基礎の配筋工事を強化するの三つをクリアするだけで「長期優良住宅」と認定されました。
 平戸さんと高橋さんは3棟目の「長期優良住宅」の注文を受け「認定」取得に向け、張り切っています。同時に民商の仲間と共同し、あらたな「エコ」に挑戦しようと夢を膨らませています。

(注)「長期優良住宅」
 「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」(09年6月4日施行)が定める、長期にわたって良好な状態で使用するための措置や構造、設備が整った優良住宅のこと。建築主は「長期優良住宅建築等計画」を作成し、所管行政庁に認定を申請。認定された住宅は所得税や固定資産税などの減免を受けることができます。
 政府は経済危機対策として「長期優良住宅促進事業」を創設。中小建設業者が建築する場合、基準を満たせば、1戸あたり建築費の1割、100万円を限度に補助されます(2010年2月10日までの完了が条件でしたが、原則最大5月末までの延長が可能)。

   
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