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  トップページ > 業種のページ > 建設土木 > 全国商工新聞 第2828号 4月28日付
業種 建設土木
 
    全商連 住宅瑕疵担保で国交省と懇談
建設業許可なくても保険入れる
国交省 保険料は4万円程度に
4号特例廃止は白紙再検討
   
   
   
 全国商工団体連合会(全商連)は14、15の両日、公正取引委員会と国土交通省と懇談しました。公正取引委員会では原材料の高騰を価格に転嫁できない厳しい実態を告発。住宅瑕疵担保履行法(注)の改善を求めた国土交通省との懇談では、大手ハウスメーカーを優遇する供託金制度を批判するとともに、中小業者が負担する保険料の軽減などを要望しました。

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保険料の軽減などを求めた国土交通省との懇談
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公正取引委員会では下請けいじめの不公正な取引の是正を要望しました
 国土交通省との懇談には西村冨佐多副会長をはじめ8人が参加。保険加入の対象者について、住宅瑕疵担保対策室の原田佳道課長補佐は「建設業許可を持っていない建設業者も保険に加入できる」と回答しました。
  また、保険料について住宅生産課の豊嶋太朗課長補佐は、保険法人が保険料を決めるとする一方で、軽減について「『住宅保証基金』の予算を増額し、今年度16億円の予算をつけ、60億円超の基金が積み立てられている。基金は(財)住宅保証機構だけでなく、民間の保険法人も活用できる」ことを明らかにしました。
  また、国会で保険料が8万円ほどと答弁している点に関して、「基金を活用すれば7万円ほどになり、最大4万円まで減額される」と具体的な数字を示しました。
  さらに「保険会社(法人)が経営状態によって保険料に格差をつけるのでは」とただすと、「経営状態だけで保険料に差をつけるのは認められない。もし、そういう保険会社があれば指導・監督する」と明言しました。
  また、建築確認審査にかかわって4号建物(2階建て以下木造住宅)の特例廃止をやめるよう要望。建築確認審査での混乱に触れ「反省を踏まえて、周知を十分に図りたい。完全廃止をするのか、特例の一部を残すのか、実施時期をいつにするのかなどを含めて内容を見直す」と再検討の姿勢を見せました。
  滋賀・長浜民主商工会(民商)の三澤泰博さん(57)は「建設業許可がなくても保険に加入できることを聞き、少し安心した。われわれは保険があろうがなかろうが、手を抜けば地域からたたかれる厳しい世界にいる。ハウスメーカーに有利な瑕疵担保履行法が施行されれば、さらに仕事が奪われる」と強調。
  川口民商の鈴木芳晴さん(57)は「供託金制度は矛盾が多いし、民間の保険会社が検査をするのはおかしい。住宅公庫を使う場合、国が建物の検査をしていた。公的な検査体制を国自身がつぶしておきながら保険をかけさせ、建築業者に新たな負担を押し付けるのは納得できない」と厳しく批判。「建築基準確認審査の厳格化で建築着工が遅れ、多くの中小業者は資金がショートし、倒産に追い込まれている。日本経済は危機に直面している」と訴えました。

(注)住宅瑕疵担保履行法
  姉歯建設などの耐震偽装が発覚したことをきっかけに制定された法律で、来年10月1日から施行されます。新築住宅の買い主を保護するために、新築住宅の請負人や売り主に保険加入か保証金の供託を義務付けています。
  供託金は1戸あたり最低2000万円で、法務局などの供託所に10年間預け、売り主や請負人が倒産して瑕疵が補修できない場合は、買い主が必要な補修費用を供託所に請求します。供託金は建設戸数が多いほど1戸あたりの金額は少なく、大手ハウスメーカーなど大企業を優遇したものです。
  一方、供託金が払えない事業所は保険に加入しなければなりません。保険料は約8万円といわれ、掛け捨てです。多くの中小業者は、保険加入を選択すると予想されますが、新たな負担となり、保険料軽減は切実な要求です。全商連は大企業に有利な供託金制度をやめ、中小業者への負担を軽減させるため、保険料の減額を求めています。

   
         
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