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  トップページ > 地域のページ > 小規模基本法と地域経済振興 > 全国商工新聞 第3146号12月1日付
相談は民商へ
 
地域 小規模基本法と地域経済振興
 

生かそう 小規模基本法

 各地の民主商工会(民商)は、小規模企業振興基本法(小規模基本法)の具体化を求めて自治体との懇談を推進。地域経済振興へ、仕事確保や国保、地方税の滞納処分に関わって納税緩和措置の適用など切実な要求の実現を求めました。

実態調査示し施策迫る=埼玉県連

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46人が参加し、実態を告発した埼玉県連の県要請

 埼玉県商工団体連合会(県連)は11月17日、県内20民商と県連から46人が参加し、中小業者が置かれている実態を告発しながら、施策の充実を求めました。日本共産党の村岡正嗣県議会議員が同席しました。
 営業と暮らしに関わる69項目からなる要請書を、埼玉県産業労働部産業労働政策課の板東博之課長に手渡しました。また9月〜10月にかけて取り組んだ「緊急業者アンケート」2010人分の結果を示し、業者の置かれている厳しい状況を説明。要請した各分野について意見交換を行いました。
 税制では鳥取県児童手当の差し押さえ訴訟判決を尊重し「滞納整理マニュアル」の是正を求め、機械的な滞納処分を行わないことなど要望。参加者は「16円しか入っていない給与振込口座を差し押さえられ、残金ゼロで生活できない人がいる」「市議立ち会いの下で納税相談中、市役所で警察を呼ぶと恫喝された」「納税相談への役員や事務局員の立ち会いを一方的に排除した」などの市町村での対応を告発しました。
 岩瀬晃司県連副会長が「総務省は、このような行政執行は行き過ぎた感があり調査したいと回答した。県は対応すべき」と語り、「親切丁寧な相談で、東秩父村は徴収率100%に。こうした対応を見習うべきでは」とただしました。県担当者は「法令順守の立場で行政執行できるように努めていきたい。立ち会いは守秘義務の問題でご遠慮いただいている」と述べるにとどまりました。
 小規模基本法について、菊池大輔県連会長が「商工施策だけでなく、税制、金融などあらゆる場面で中小業者への支援を求めるもの。点の支援にとどまらず、面で支援ができるようにしっかりとした施策の充実をしてほしい」と重ねて訴えました。
 他にも大雪での被災業者への支援の徹底や、経営者保証ガイドラインの実施に伴う金利上昇や貸し渋りへの指導などを求めました。

循環経済へ支援策を=広島・府中
 広島・府中民商は小規模基本法に基づき、中小業者への施策の拡充や地域経済の振興を求め、府中市(10月28日)、神石高原町(10月30日)とそれぞれ懇談をしました。森田高史会長ら延べ7人が参加。府中市では日本共産党の楢崎征途議員が同席しました。
 要望したのは、(1)小規模基本法に基づく具体的な施策として住宅リフォーム助成、商店版リフォーム助成制度を創設すること(2)国保税を引き下げ、短期保険証や資格証明書の発行をやめ、減免申請を認めること(3)地方税の滞納処分に対し、納税緩和措置を市民に知らせ、鳥取高裁判決を踏まえた徴収行政の見直しを行うこと-など3項目。
 応対した府中市の吉川則夫副市長らは、「住宅リフォーム助成制度については、今後の課題として総合的に判断していきたい」と回答。国保税については、「国保の広域化について協議が進められているが、市民の負担がこれ以上増えないように、要望している」と答えました。
 参加者は、短期保険証と資格証明書の発行は14年4月時点で合わせて342件に上っていることを指摘し、減免申請の適用や、親身な納税相談などを積極的に行うよう要望。また、所得が360万円の世帯(建設業・3人家族)の場合、税金と社会保険料を合わせると、所得の40%(146万円)となるケースを示し、「納税緩和措置について積極的に適用するよう」求めました。
 担当者は、「緩和措置については、納税相談の中で知らせる。生活に苦慮するような差し押さえはしない」と明言しました。
 神石高原町では、牧野雄光町長と懇談。
 森田会長の「地域内で経済が循環していけるよう、中小企業支援施策を考えてもらいたい」との要望に対し、牧野町長らは「3年前より、産業支援として店舗等のリフォームに補助金を出したり、借入利子に対する補給制度などを設けている。また、雇用促進奨励金も創設している」と紹介。人口減少に対しては、「定住促進とともに雇用の場を提供できるように考えているが、マッチングが難しい」と悩みも打ち明けました。
 また、国保について「国保会計には、一般会計から繰り入れているが、大変なのは、介護保険だ。国は繰り入れは違法だと言っている」と、国の対応に批判的な考えを示しました。

小企業の雇用確保へ=岩手県・盛岡

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滝沢市の柳村市長(左)に要請書を手渡す交渉参加者

 岩手・盛岡民商は11月5日、「中小商工業者への施策を拡充し地域経済の振興を求める要請書」を持って、滝沢市と懇談しました。柳村典秀市長、企画総務部部長ほか4人が対応。民商は、関沢淨会長はじめ6人が参加しました。
 「小規模基本法に基づく滝沢市の施策」「住宅リフォーム助成制度の再度実施」「地方税の滞納処分について」「消費税10%増税中止、外形標準課税の導入反対を国に働きかけてほしい」の4点を要請しました。
 小規模基本法について、「商工会を通じて一緒に振興策を作成したい」という市の回答に「商工会だけが小規模業者の集まりではない。私たち民商の業者もたくさんいます。一緒に作りましょう」と提案しました。
 消費税増税について市長は「個人としては10月増税中止がよいと思うが、立場上、中止との声は出せない。議会の立場が決まってないので、慎重に見守りたい」と回答。参加者が「こんなに景気が低迷しているのに、いま増税するタイミングではない」と話すと、市長も「ふむふむ」とうなずき、「今度の議会に増税中止の請願を提出するので、ぜひ意見書を出してください」と要請しました。
 また、「企業誘致もいいが大きい企業が撤退すれば解雇も増える。小さい企業の雇用の確保をめざすべき」と要望したところ、市長も「私もそう思います」と同意を示しました。
 民商独自で自治体交渉に取り組んだのは初めてのこと。参加した岩手県商工団体連合会の藤沢光一会長は「私たちの要求実現は、もっと組織を大きくして自治体を動かして、初めて実現する。頑張ろう」と話しています。

全国商工新聞(2014年12月1日付)

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