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大規模集客施設 立地誘導の条例制定へ
岩手県 面積6000平方メートル超は制限
県連も加盟「暮らしを考えるネットワーク」
シンポなど運動後押し |
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今後大幅なきせいを受ける、03年8月に出店したイオン盛岡SC |
岩手県では12月議会で「大規模集客施設の立地誘導等に関する条例」(仮称)が制定される見通しとなりました。床面積が6000平方メートルを超える大規模集客施設の出店が大きく制限されます。05年6月県議会で「郊外型大型店の規制を求める」請願書が採択されてから2年、「これ以上の大型店はいらない」の声は大きく広がり、多くの住民、商業者の運動が実ったものです。
条例では、飲食などの店舗や遊技場、劇場などの大規模集客施設(複合型店舗)を立地する最適地は中心市街地とし、それ以外の地域への出店を制限しています。
また、改正都市計画法で原則出店が可能な商業地域や近隣商業地域、原則立地抑制が必要な準工業地域に出店する場合、出店者に立地計画の届け出、説明会の開催を義務づけました。
同時に、県知事の付属機関「まちづくり審議会」(仮称)の意見を踏まえて、県は、施設が地域に与える影響などの意見を出店者に述べて再考を促し、計画の変更などを勧告します。勧告に適切に対応しない場合は出店者名を公表し、届け出をしない、または虚偽の届け出をすれば罰金が科せられます。
出店阻止できず条例制定へ加速
盛岡市では03年8月、イオン盛岡SC(床面積3万7983平方メートル)出店計画に反対する運動が自治体や消費者団体を含め大きな盛り上がりを見せたものの阻止できず、そのわずか3年後、4キロ南に同じイオン南盛岡SC(床面積3万7195平方メートル)が出店をしました。
大型店の出店ラッシュに「歯止めをかける条例がなんとしても必要」との運動が加速し、今回の条例制定に結びつきました。
条例制定に当たって盛岡民主商工会(民商)は、「規制する対象規模をもっと小さく」などを求めたパブリックコメントを提出しました。
また、盛岡市では9月議会で建築制限条例を採択し、市内・郊外の準工業地域について、1万平方メートルを超える建物の建設を制限しました。これによると、すでに出店しているイオン盛岡SCは既存不適格となり、増築は20%までに制限されるなど相当の制約を受けます。
「何とかしたい」と声がまとまる
この間、県の中心市街地活性化研究会など各種研究会や自治体の検討委員会では自治体の首長や商業者、消費者が何度も話し合い、「いま何とかしなければ大変」との声がまとめられました。
岩手県商工団体連合会(県連)も加盟する「暮らしを考えるネットワーク」はこの間、「まちづくりシンポジウム」を2度にわたって開くとともに県に条例制定運動を後押ししました。
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