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熊本県が方針発表 大規模集客施設の広域調整へ
認定区域に立地誘導
熊本県連の運動反映 11月末から適用 |
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熊本県は8月8日、「大規模集客施設の広域調整に関する方針」を発表しました。大型店の立地を制限した改正「都市計画法」を踏まえ、大規模集客施設(床面積1万平方メートル以上)の適正立地を図ることを目的にしています。熊本県商工団体連合会(県連)は問題点があるものの、まちづくりをすすめる上で貴重な方針と歓迎しています。
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熊本民商などが参加する「大型店の出店を考える会」が開いた学習交流会(06年3月17日) |
「方針」は大規模集客施設が立地場所の周辺環境に影響を及ぼすだけでなく、交通渋滞など都市構造に影響を与える恐れがあり、適切なコントロールが必要と強調。適正立地に対する基本的な考え方や広域調整の手続きなどを示しています。
大規模集客施設の立地は原則として、▽熊本県が策定した「都市計画区域マスタープラン」(03年1月)で商業系の土地利用が都市計画上に位置づけられている区域▽中心市街地活性化基本計画が認定された区域‐に誘導し、それ以外の区域は抑えるとしています。
先の誘導区域外で市町村が大規模集客施設を必要とする場合や、誘導を図る地域でも立地制限の解除が必要な場合は、都市計画法に基づいて都市計画決定の手続き(計画素案の作成、公聴会・説明会による住民意見の反映など)をとります。加えて「方針」では広域調整の手続きを求めています。
市町村は交通安全への影響、自然環境、文化的な環境、騒音など12項目について立地を評価し、県に都市計画案を報告します。
さらにその立地評価について「関係市町村連絡会議」を開いて議論し、県は関係市町村に意見を聞き「県都市計画審議会」への諮問・答申を経て、県は同意、不同意を回答します。
一連の手続きで注意が必要なのは、県が広域調整をする場合の留意点として「需給調整の手段として用いない」ことを上げていることです。これは、大型店の出店を事実上野放しにした大店立地法13条に沿ったもので、改善を迫ることが求められます。
熊本県連はこの間、商店街や地域住民とともに大型店反対の運動にとりくんできました。04年には県農業試験場跡地に5万平方メートルを超えるイオン系ショッピングセンターの計画が出され、県に対して見直しを迫り、出店を断念させました。
05年には、熊本市内への7万3000平方メートルのイオンモール進出計画に対して、中心市街地の活性化とともにまちづくりのあり方を提言し、最終的に出店不許可をかちとりました。今回、県が「方針」を出したのはこうした運動が大きく反映しています。
「方針」は改正「都市計画法」が施行される11月30日から適用されます。 |
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