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全商連が大型店の緊急調査 大量の駆け込み出店 郊外出店規制前に狙う |
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全国商工団体連合会(全商連)は16日、大型商業施設の「駆け込み出店」の実態調査の結果を発表しました。11月の改正都市計画法施行を前に「駆け込み出店」の動きが強まり、緊急に調査したものです。「駆け込み出店」の疑いが濃いと判断できるものは40件に上ることが明らかになりました。発表内容の要旨を紹介します。
調査は、まちづくり3法(大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、都市計画法)の改正が成立した06年6月以降に(1)新たな大店立地法5条1項の届け出が出されたもの(2)未届けではあるが計画されているもののうち、店舗面積が1万平方メートル以上の出店計画‐を調べたもの。
出店計画は全国で88件、そのうちすでに計画が提出されているのは67件、今後計画が出される予定は21件となっています。このうち改正都市計画法では許可されない準工業地域の立地は10件、第2種住居地域4件、白地地域18件、農地の転用は8件で、合計40件は「駆け込み出店」の疑いが濃いと判断されます。
このなかには、企業誘致に失敗した工業地に大型店を呼び込むなど自治体の姿勢が問題となる事例や、隣接する自治体間での対応が分かれ、県の調整が求められている事例なども見られます。
岐阜県では大垣市、岐阜市、各務原市の3市周辺で4店舗の計画が予定。既存店が対抗すべく増床計画を打ち出し、熾烈な大型店のつぶしあいの再燃かと憂慮されるような競争激化の地域も生まれています。
「駆け込み出店」の懸念は、日本共産党の塩川鉄也議員が国会で追及。「都市計画法等の改正内容及びそれを踏まえた開発制度等の運用面で留意すべき事項について、今後、地方公共団体に対し、運用指針等で徹底」(平成18年4月21日、経済産業委員会 加藤利男国土交通審議官)などと述べ、開発許可制度運用指針の改正でも開発許可を厳格に審査するとしていました。
しかし、地方自治体によっては「現行法では届け出は拒否できない」としている例や「審議も公開されず転用が許可された」ケースもあり、大量の駆け込みを許した責任が改めて政府に問われています。
一方、郊外出店規制を強める地方自治体の独自規制の動きも広がっています。
福島県では昨年10月、「商業まちづくりの推進に関する条例」を施行し床面積6000平方メートル以上の小売商業施設の出店を規制。北海道、山形、兵庫、京都府、福岡、熊本などでも「大型店の立地に関するガイドライン」を策定し、床面積1万平方メートル超の集客施設を規制する動きも広がっています。また、仙台市では「改正後の都市計画法の内容にそって指導していく」としており、注目されます。
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