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福岡県 大型店「立地ビジョン」策定へ
「駆け込み出店」を抑制 県連の運動が反映、さらに改善を |
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改正「都市計画法」が11月末に完全施行されるのを前に大型店の駆け込み出店が相次ぐなか、福岡県では「大規模集客施設の立地ビジョン」(案)を策定。独自にゾーニング(土地用途の指定)をおこない、大型店の立地が可能な場所を定め、駆け込み出店を含めて商業地域、近隣商業地域以外での立地を抑制しようというもの。22日までパブリックコメントを募集し、5月に決定する予定です。
福岡県商工団体連合会(県連)は2月21日、「立地ビジョン」について県と懇談し、説明を受けました。それによると「立地ビジョン」の主な内容は、(1)県内に37カ所の広域拠点と、69カ所のその他の拠点を位置付ける(2)広域拠点には大規模集客施設(商業施設は1万平方メートル以上)の立地を誘導し、その他の拠点には立地の影響が一つの市町村の範囲にとどまる程度の大規模集客施設(商業施設は原則として床面積1万平方メートル以下)の立地を誘導する(3)広域拠点、その他の拠点以外の地域は、大規模集客施設の立地を抑制する‐などです。
都市計画法で床面積1万平方メートルを超える店舗の立地が可能な準工業地域には、「特別用途地区」の設定によって立地ができなくなることを市町村に示し、商業地域、近隣商業地域以外での立地を抑制します。
また、駆け込み出店については、11月末の改正「都市計画法」の完全施行前までは「立地ビジョン」で市町村に指導と理解を求めるとしています。
県連の運動が反映し、この方針を県が打ち出したことは評価できますが、「立地ビション」は、同時に問題点も含まれています。(1)一昨年、麻生知事は「広域調整のためには条例制定もありうる」と表明していましたが、県の提言が国に受け入れられたとして「ビジョン」にとどめたこと(2)1万平方メートル以上の大型店を誘導する「広域拠点」での乱開発の可能性や、1万平方メートルに近い出店戦略には歯止めがないこと(3)商業地域、近隣商業地域以外でも都市の構造に与える影響が大きくないと判断されれば、用途区域の変更で大型店の出店が可能であること(4)大型店の撤退対策がないこと‐などです。
県連ではパブリックコメントを出して問題点を明らかにしつつ、大型店問題とまちづくりの方向性を提起し、他団体とも懇談を広げることにしています。
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