地域経済再生めざし「集い」=山形・鶴岡
「住み続けられるまちづくりを探求しよう」―。山形・鶴岡民主商工会(民商)、生活協同組合共立社や農民連など庄内地域の民主団体・組織15団体は7月22日、「庄内地域のきずなを深める集い」を開きました。暮らしと営業が地域経済と深くかかわっていることをつかみ、共同の運動とまちづくりをさらに発展させようと開かれたもので86人が参加しました。
第1部はパネルディスカッション。民商と地域労連、庄内地域づくりと子育て・文化協同の会の運動組織が「鶴岡での市民運動の昨今」をテーマに、また生活協同組合、庄内産直センター、介護施設山形虹の会の事業組織が「鶴岡での協同事業の可能性」をテーマに討論しました。
鶴岡民商などが開いた「庄内地域のきずなを深める集い」
業者の実態とたたかい報告
中小業者の実態と、この10年間の民商のたたかいを報告した鶴岡民商の菅原健一会長=機械加工=は「04年から09年までの退会要因は死亡、廃業が40%、経営困難が22%合わせて6割以上が規制緩和や構造改革に起因した不況による」ことを明らかにしました。
子育て・文化協同の会は相談活動から見える子どもたちの状況を報告。「秋葉原無差別殺傷事件の容疑者が『だれでも良かった』と供述しているが、それに似たような相談事例があり、地方の町でも子どもの心の貧困が進んでいる」と話し、参加者を驚かせました。
第2部の学習講演は京都大学の岡田知弘教授が「一人ひとりが輝く地域再生」をテーマに講演。地域経済の再生に各地の振興条例が役割を果たしていることを紹介しながら「地域内を循環する経済の仕組みをつくることが、住み続けられるまちづくり、地域経済の活性化につながる」と強調しました。
分散会では各団体・組織の現状や課題を交流し、「地域経済が暮らしや運動に深くかかわっていることがよく分かった」など積極的な発言が続きました。
構造改革の痛みを実感
パネリストを務めた民商の菅原会長は「10年間を振り返ってあらためて『構造改革』が中小業者をどんなに痛めつけたかを実感した。地域経済を再生させるために中小業者団体と積極的に対話し、地域振興条例の果たす役割などを訴え、共同の輪を広げたい」と話していました。
「集い」は70年代からほぼ10年ごとに運動の到達を確認し合う機会として開いてきたもので、今回は4回目。毎回、実行委員会を結成し、それぞれの団体・組織の到達と課題を学習・共有することや、運動を継承する担い手づくりを目標にしてきました。
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