民商会員も被害甚大 被災者救援に全力=県連民商
震度7、震度6の強烈な揺れが相次いだ熊本地震。死者44人、1100人超の負傷者を出すなど、大きな被害を広げています。激しい揺れが断続的に続く中、熊本県商工団体連合会(県連)は16日、「震災対策本部」(本部長・松尾正県連会長)を設置。全国に支援を呼び掛けるとともに、会員宅を訪ね、安否や被災状況を確認し、支援活動に立ち上がっています。
益城町の里見政春さん宅を訪ねて激励する熊本民商の事務局員ら(写真は大きく壊れた家屋)
「大丈夫でしたか」。対策本部メンバーは17日から18日にかけ、「力合わせて助け合おう」と呼び掛け、支援制度を紹介するチラシを持って、熊本市内や被害の最も激しい益城町の会員を訪ね歩きました。
「死ぬかと思った」と語ったのは熊本市内でスナック「霧子」を経営する増本エリカさん。母の代からの会員で、オープンして26年になります。16日深夜の本震(M7・3、最大震度6強)でタンスは倒れ、自宅の天井やカベにはヒビが走りました。お店のお酒は棚から落ちて大半が割れました。
片付けに追われる中、増本さんを励ましたのが「ママ、けがはなかったか」と声を掛けてくれた県内や沖縄、鹿児島など遠方のお客の言葉でした。「お客さんの励ましが本当にうれしかった」と振り返ります。「一から出直そうと決めている」と話すママに被災者への支援制度を紹介すると、「いい話を聞けました」と笑顔で語ってくれました。
益城町で目に入ってきたのは倒壊した家々、深い亀裂の入った道路、崩れ落ちた塀…。「タンスも何もめちゃくちゃです」と話してくれたのは、農業を営む会員の里見政春、ハツミさん夫妻。築25年の家は破損し倉庫が傾き、庭にも大きな亀裂が走っています。
「この家に住むのは難しい」と語るハツミさんに、訪問した事務局員らはチラシを渡し「住宅再建を支援する国の制度もある」と激励。後片付けの手伝いにきた大学生の孫に、水やブルーシートを手渡しました。
対策本部は、引き続き会員の要望や声を集め、暮らしと営業の支援を進めることにしています。
全国商工新聞(2016年4月25日付) |