「海を汚すな!」 国・東電に抗議
「海を汚すな」。福島第1原発から高濃度の放射性汚染水が海に流出している問題で、各地では東電や原発を推進する国に対し、市民らが怒りの声を上げました。
速やかな打開策を・本店前で緊急集会=反原連
首都圏反原発連合(反原連)は8月28日に東京電力本店前緊急抗議集会を行い、350人が非常事態の速やかな打開を国や東京電力に迫りました。
スピーチでは「2011年5月以降、放射性物質はセシウム137が20兆ベクレル、ストロンチウムが10兆ベクレルに到達した。環境権、生存権の侵害だ」「地下水すらコントロールできないのに再稼働・原発輸出は論外」「海や山を汚し、食の安全をも脅かす東電は戦争を仕かける企業のようなもの。誠意を尽くした対応をとるべき」など本店ビルに思いをぶつけました。
千葉市からの参加者は「漁民も国民も世界も怒っている。柏崎刈羽原発の再稼働に費やすお金や人員を福島にもっと向けるべき」と怒り心頭。
抗議活動参加が2回目と話す立川市からの参加者は「レベル3という異常事態なのに中東を歴訪する安倍首相の姿勢が信じられない」とあきれ顔でした。
ミニ拡声器で抗議する川崎市からの参加者は「国だけではなく、東電と一緒に莫大な利益をあげた大銀行やメーカー、ゼネコンなども事故の収束へ責任をとるべき」と声をからしながら訴えました。
再稼働許されない・九電営業所前で行動=大分
大分・日田民主商工会(民商)も加盟する「くらしと平和を守る日田地区連絡会」は毎週金曜日、首相官邸前行動に呼応して「原発なくせ!」「玄海原発、川内原発の再稼働するな!」と抗議行動に取り組んでいます。
8月23日は九州電力日田営業所前に9人が集合。抗議のスピーチとコールに共感を示した車のドライバーたちがクラクションを鳴らして呼応しました。参加者は「今年の酷暑でも九州は原発が稼働しなくても大丈夫だった。原発はいらない」「福島第1原発事故の汚染水漏れは深刻。政府は事故収束宣言を撤回すべき。事故対応を東電にさせる一方で原発輸出・再稼働に立つ姿勢は許されない」と抗議しました。
金曜行動は再稼働申請した九州電力の鹿児島・川内原発、佐賀・玄海原発への抗議行動を7月8日から5日間続けたことから始まりました。ロール紙で作っていた横断幕はボロボロになり、長期間の運動に耐えられる布製に新調しました。
原発の危険性を実感・共同で宣伝と学習=北海道
北海道・釧路市で個人加盟で反原発の運動に取り組む集会発起人会は8月30日、脱原発ネット釧路と共同でデモ・集会1周年を行いました。23人が参加し、JR釧路駅前での宣伝行動と集会所での学習会を行いました。
太平洋に面した漁業のまちである釧路市にとって福島第1原発事故による高濃度汚染水の流出は深刻な問題です。
集会発起人会代表は「今、高濃度の汚染水による危険な状態がずっと続いている。福島の海と釧路の海はつながっておりあらためて原発の危険性を実感。電気の維持に原発は必要なのか。泊原発の再稼働は反対だ」と訴えました。
参加者全員がスピーチし、後手後手に回っている政府の事故対応と原発輸出・再稼働政策に批判が相次ぎました。
学習会では、原発立地自治体のがん発生率が突出するなど、泊原発の実態を告発し続ける活動家・斉藤武一さんのたたかいをDVDで学びました。
全国商工新聞(2013年9月16日付) |