反原発1000000人大占拠 ひろがる政治変革求める声
雨の中、国会前でコールを繰り返す参加者
「再稼働反対」「原発いらない」のコールが日本中を包みました。11日、首都圏反原発連合が呼びかけた「反原発1000000人大占拠」。東京をはじめ全国46都道府県で集会やパレードが開かれ、「政治を変えて原発ゼロにしよう」の声が大きな波となって広がりました。
原発なくす政治を実現しようと参加者が押し寄せた国会前
東京では本降りとなった雨に負けず10万人(主催者発表)が参加。国会を中心に官邸前、東京電力前、経産省前などで「私たちは原発のない社会を決してあきらめない」と脱原発の声を響かせました。
多くの家族連れが集まった文科省前では、「福島の子どもたちを直ちに疎開させて」と訴えました。家族4人づれの参加者は「ふるさと福島の環境が変わり果てて悔しい。国にこの行動を見せつけ福島を取り戻したい」と怒りを込めました。
国会議事堂前の抗議ステージでは参加者、著名人、政治家などがマイクを握り、白い息を吐きながら、それぞれの思いをアピール。
福島から来たバスガイドの女性は、一時帰宅時に着用する1980円の防護服を着て登壇。「この防護服は紙でできているから雨が染みてくる」と寒さに震えながら「福島のことを忘れないで」と訴えました。
栃木の脱原発集会から駆け付けた作家の落合恵子さんは「国会から原発推進派をなくし、本当の平和をつくろう」と決意を表明。集会主催者のミサオ・レッドウルフさんは「衆議院選挙が分かれ道。脱原発の議員をかたせるためにも声を上げ続けよう」と呼びかけました。音楽評論家の湯川れい子さん、作家の鎌田慧さん、女優の松田美由紀さん、メディア・アクティビストの津田大介さんらもマイクを持ち、音楽家の坂本龍一さんからはメッセージが寄せられました。
日本共産党、社会民主党、新党きづな、国民の生活が第一、民主党などの国会議員も登壇。日本共産党の志位和夫委員長は、1年8カ月たっても原発事故の影響で16万人が避難していること、「核のゴミ」の行き場がないことなどを訴え、「これらの問題を解決するには即時原発ゼロしかない。頑張っていきましょう」と力を込めました。
東京都知事予定候補の宇都宮けんじ・日本弁護士連合会の前会長がマイクを握るとひときわ大きな声援が起きました。日比谷公園で予定していたデモが都の許可が下りず中止になったことに触れ、「集会の自由は憲法で守られ民主主義になくてはならないもの」と強調。「福島で作られた電気の消費地として、東京電力の株主として、都には福島を救済する責任がある。東京から人に優しい、原発のない日本、世界をつくっていきたい」と話し、応援の拍手に包まれました。
参加者は「原発の問題を通じて国民に自分の意志で国をつくるという気持ちが少しずつ生まれ始めている。異論を恐れずに周りの人との議論を通じ、より良い国をつくっていきたい」と話していました。
全国に連帯の波 各地で集会やパレード
東京の集会に呼応して開かれた「原子力おことわり」11・11佐賀集会のデモ隊
11日、「反原発1000000人大占拠」に連帯し、全国各地で集会やデモが行われ、全国の民主商工会(民商)、県商工団体連合会(県連)が参加しました。
北海道・函館民商も加盟する「原発をなくす道南連絡会」は市内の千代台公園で「ストップ大間原発、原発ゼロへ」を開きました。
主催者が、大間原発の建設工事を再開する電源開発(Jパワー)が無責任な発言を繰り返していることに怒りがわき起こりました。
浜岡原発が立地する静岡県では県内14カ所で「原発はいらない」の行動を展開。静岡県連も加盟する「浜岡原発廃炉・日本から原発なくす静岡県連絡会」は、脱原発アクションと原発なくそうオータムパレードを行いました。
佐賀県では「原子力おことわり11・11佐賀集会」を開き、福島県や千葉県からの避難者が発言。デモ行進では「玄海原発は廃炉にし、子どもを守ろう」と唱和しました。
全国商工新聞(2012年11月26日付)
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