被災地に船寄贈 陸路1200キロを輸送=和歌山・海南
宮古民商に贈られ試運転をする釣り船
和歌山・海南民主商工会(民商)は東日本大震災で被災した岩手・宮古民商のイカ漁師さんに全長11メートルの釣り船を陸路1200キロを走って寄贈しました。贈呈にあたり何度もメール交換、温かい心も乗せた船の贈り物が被災地に届きました。
宮古に贈ったのはGPSや魚群探知機もついた長さ10メートル50センチの釣り船「すなどり2」。きっかけは船を所有していた岡義明・海南民商副会長が「被災地に自分の船を寄贈したい」と提案したことでした。
役員会で議論してさっそく宮古民商に連絡。当初は「まだ港に船を置ける状態ではない」「イカ漁には使えない」との連絡があったものの、メールのやり取りや実際の船の写真を送る中で「この船は立派だ」「この船は希望になる」と、漁師さんから歓迎の言葉が返ってきました。
連絡を受けた海南民商は全ての会員にカンパを訴えるとともに準備に取りかかりました。輸送するには10トントラックが必要で業者を探したところ、偶然にも大阪・西淀川民商会長の高瀬敏明さん(有限会社協栄機設)が引き受けてくれることに。
10月20日に海南市冷水港で出発式を行い出発。36時間かかって、22日の早朝6時に到着しました。宮古市は雨交じりの天気でしたが、出迎えてくれた宮古民商の役員さんらに無事引き渡しました。この後、船を港に降ろし、試運転も行いました。
船を受け取った漁師さんは「おいしい魚が捕れたら、真っ先に(船を贈ってくれた)岡さんに送るよ」と笑顔いっぱいでした。
全国商工新聞(2011年12月5日付)
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