「なくせ原発」1万人集う=10・30福島集会
「なくせ原発 安心して住み続けられる福島」を掲げた大集会が10月30日、紅葉の始まった福島市・「四季の里」で開かれました。集会実行委員会が主催したもの。会場は地元福島をはじめ北海道から沖縄まで1万人を超える参加者で埋まり、「放射能被害から子どもたちを守れ」「被害の全面賠償を」と、東電と国に怒りをぶつけました。
「思いっきり外で遊びたい」と子どもたちの訴えに共感が広がった「10・30大集会inふくしま」の参加者
孫の手を引いたおじいちゃん、赤ちゃんを抱いたお母さん…。参加者の胸や手には「サヨナラ原発」「原発には未来も希望もない」などと書かれた思い思いのゼッケンやプラカード。
「福島のためにこれだけの人が集まってくれた。感激です。孫や子どもたちの将来のためにも元の福島に戻してほしい」と、福島民主商工会(民商)婦人部長は力を込めました。
原発埋蔵金を除染と賠償に
呼びかけ人の早川篤雄さん(住職)らが「原発事故は歴代政府と東電による許されない人災。県民はふるさとも職場も奪われ、先も見えずに苦しんでいる。原発がなくなるまで知恵と力を集めよう」とあいさつ。
庄條徳一県JA中央会会長、佐藤栄佐久前福島県知事、馬場有浪江町長、菅野典雄飯館村長など「オール福島」のメンバーが登壇し訴え。日本共産党の志位和夫委員長は、電力業界がため込んでいる「原発埋蔵金」を除染と賠償に使うよう提案、「安心して住み続けられる福島」「原発ゼロの日本を」と呼びかけました。
集会後、会場周辺をパレードする参加者(前列左から2人目が全商連の国分稔会長)
精いっぱいの声一体感あふれて
中央ステージでは東北各地の伝統芸能を通じたアピールも。秋田のなまはげは「原発で素晴らしいふるさとを奪ったのはどこのどいつだ」と大きな包丁を振りかざし、制服向上委員会が歌う「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」を地元の保育園関係者が披露。放射能被害で外で遊べない小さな子どもたちは「もっとプールで遊びたい」「外でかくれんぼしたい」と、精いっぱいの大声を上げ、会場から「そうだね」の声が上がり、会場は一体感で包まれました。集会は「ふくしまに生き、明日につなぐ」と題したアピールを採択。集会後、参加者は「なくせ原発」「東電は徹底的に除染を」「全面賠償を」とパレードしました。
福島飯坂温泉からの参加者は「原発事故によって私たちは長年にわたって苦しめられる。賠償問題もそうです。でもあきらめたらダメ。たたかい続けること、それが私の生きがいです」と熱い思いを語りました。
全国商工新聞(2011年11月14日付)
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