原発事故 第3次損害賠償請求 115件1億1900万円=福島県連
福島県商工団体連合会(県連)は3日、県庁内で東京電力に対し、福島第1原発事故による被害の第3次損害賠償請求をするとともに、避難地域以外の営業損害に対する早期仮払いを求めました。
第3次の仮払い請求書を東電に提出
相双民主商工会(民商)など避難地域の民商会員とともに、風評被害で「廃業状態」になっている避難地域外の観光関連業者や小売・サービス業の会員など約60人が参加しました。
冒頭、紺野重秋福島県連災害対策本部長が「避難地域以外の営業損害に対する早期仮払い等を求める要望書」を読み上げ、東電側に手渡しました。
相双民商から避難地域の損害賠償の仮払い請求書を、福島民商から指定地域外の仮払い請求と概況説明書を、それぞれ東電に提出。115事業所で約1億1900万円(うち地域外15件、約1500万円)の仮払い請求で、県連が行ったこれまでの合計は272件3億5014万円となりました。
観光業は大打撃
会場からは、いわき湯本温泉の観光業者が「温泉地なのにお客は激減、観光業は大打撃でこのままでは廃業するしかない。速やかに補償してほしい」と訴え。飯坂温泉の観光業者は「300人のコンパニオンがいたが、今働いているのは10%に過ぎない。売り上げは9割ダウン。生活できない。早く救済してほしい」と切実な声を上げました。
紺野対策本部長は「紛争審査会の2次指針で、福島県内については損害賠償の対象とすることが決まっている。にもかかわらず、東電は仮払いを進めていない。福島県内の観光業については直ちに仮払いを開始するよう」強く求めました。
東電側は「きちんと本社に伝える」と答えるにとどまりました。また風評被害についても「8月1日から支払いを始めている」ことを明らかにしました。
全国商工新聞(2011年8月29日付)
|