放射線被害 損害相談会に129人=福島・須賀川
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県の水産業界を支援しようと、「漁業の未来を考える県民の集い」が3日、石巻市内で開かれました。宮城県商工団体連合会(県連)も加わる「東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター」が主催したものです。
129人が参加した須加川民商主催の「放射線損害相談会」
放射線による被害を東電に請求しよう-と福島・須賀川民主商工会(民商)は6月19日、須賀川市内で「放射線損害相談会」を開きました。
会外の市民24人含め129人が参加。大阪、東京、福島から16人の弁護士が駆けつけました。
須賀川市は福島第1原発から約50キロ離れていますが、測定される放射線量は高く、風評被害も広がっています。
福島県民はすべて被害者
相談会では弁護士が原子力損害賠償請求制度について解説。「福島県民はすべて被害者。運動を盛り上げ、東電へ損害賠償請求を行い、みなさんの大きな運動で原発をなくしていきましょう」と提起しました。放射線の健康被害についての報告では自ら除染活動を行った経験にも触れながら「健康被害も今後損害賠償の対象になっていくだろう」と語りました。
全体会では会場から「放射線が心配。このまま生活していて大丈夫か」「子どもが妊娠しているので、山梨県に避難している。避難費用は請求できるのか」などの疑問や不安が出されました。
この後、被災者と弁護士が個別相談。
畜産業者は「風評で飼育牛の単価が急落した。損害を請求したいができるのか」と相談。観光バス会社の経営者は「昨年と比べ、売り上げが8割もダウンした。学校の仕事も競技自粛で減少し、県外からも観光客がまったくない」と訴えました。
旅館の経営者は「3月、4月の歓送迎会がすべてキャンセルになった。毎年春に予約がある宿泊者もまったくない」。キャベツの出荷停止後に父親が自殺した農業者は無念さを訴えるとともに、「父を自殺に追いやったキャベツの出荷停止の損害と、売れ残ったキャベツの損害を請求したい」と、決意を新たにしていました。
須賀川民商は、今後も毎月2回、相談会を開催し、被災者の願いや要望に応えていくことにしています。
全国商工新聞(2011年7月18日付)
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