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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第2983号 7月18日付
 
 

「水産特区構想はね返そう」漁業の未来考える集い=宮城


 東日本大震災で壊滅的な被害を受けた宮城県の水産業界を支援しようと、「漁業の未来を考える県民の集い」が3日、石巻市内で開かれました。宮城県商工団体連合会(県連)も加わる「東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター」が主催したものです。

 漁師、水産加工業者、買受人協同組合、宮城生協、市民など350人が駆けつけ、宮城県が押し付ける「水産特区構想」をはね返そうとの決意があふれるものとなりました。
 県民センター代表世話人の綱島不二雄氏が「漁業権の歴史と役割」について問題提起。大きな拍手で迎えられた県漁連の代表は、村井嘉浩知事が推進する「『特区構想』は07年に出された経団連のシンクタンクの緊急提言そのもので、漁業に市場原理を持ち込むもの」と厳しく批判。その上で「公平、平等に漁業権を行使できるのは漁協があるからだ。漁協による漁業権の一元管理がなくなれば安定した生産が維持できなくなる」と訴えました。
 石巻市場買受人協同組合の代表は「復旧するには二重ローンの凍結と新たな支援がどうしても必要」と強調。宮城県生協連は「震災前の姿に戻すために援助するのが県の責任、漁場、漁民の被害救済を放置しての『水産特区構想』は何か不純なものを感じる」と語りました。
 集いは「水産業の基盤整備を政府の責任で進めることを求める」アピールを採択。最後は漁業者が壇上に勢ぞろいし「漁民は団結して頑張るぞ」と全員で声をあげました。
 漁業の復興をめぐって岩手県は、漁業協同組合員の漁船の共同購入費用の3分の1を補助することを決定するなど、漁協や漁民の後押しを行っていますが、宮城県では、知事が漁協や漁民に相談することなく、大企業に沿岸域の漁業権を開放する「水産特区」構想を打ち出すなど、「上から目線」の施策を押し付けています。

全国商工新聞(2011年7月18日付)
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