東日本代震災 避難所で手作りまんじゅう=埼玉・上尾
あんこの会のメンバーとともにまんじゅうを作る上尾民商の加藤会長(左)
「熱々のおまんじゅう、久しぶりでおいしかった」―。原発30キロ圏内の福島県広野町から、埼玉県三郷市の瑞沼市民センターで2カ月に及ぶ避難生活を送る被災者から笑顔がこぼれました。
4月27日、同センターで行われた“熱々まんじゅう”の炊き出し。心を込めて作ったのは、埼玉・上尾民主商工会(民商)の加藤幸雄会長=和菓子製造・販売=と会長が和菓子作りを指導している「あんこの会」のメンバー8人。三郷民商の広瀬富治会長、磯野亨司常任理事ら3人も協力しました。
あずきの味とほどよい甘さ、モチモチした食感。加藤会長らが手作業であんを生地に包み、蒸し器で約40分間蒸して出来上がりです。約900個のまんじゅうが用意され、館内放送で知らせると、240人の被災者が次々と集まりました。
笑顔が見られた一方で、「お姉ちゃんたちが学校から帰ってくるまではいらない」と言う子どもも。「全員に行き渡るよ」と話すと受け取ってくれましたが、避難所での長い集団生活の中で、小さな子どもたちまで我慢や遠慮を余儀なくされている厳しい現状が感じられました。
加藤会長は「被災者の皆さんと対話ができ、さまざまな思いを感じることができた。まんじゅうも喜ばれて、本当に来てよかった。また何か計画したい」と話していました。
これをきっかけに、三郷民商でも被災者の皆さんを激励したり交流したりする場をつくろうと話し合っています。
全国商工新聞(2011年5月30日付)
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