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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第2971号 4月18日付
 
 

営業再建へ 全国の心ひとつに 岩手、宮城、福島を激励=兵庫

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兵庫の仲間がおくった「心ひとつに」の寄せ書きを手にする佐藤会長(左)、岩手県連藤沢会長(左から二人目)と兵庫県連の役員ら
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石巻民商で佐々木寿朗事務局長(左)から説明を受ける兵庫県連のメンバー
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福島県連で今後の支援について話し合う全商連常任理事で相双民商会長の紺野さん(右から二人目)
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固く握手する兵庫県連の土谷副会長と大船渡民商の千葉雄生事務局長(左)

力あわせれば道はひらける
 「とても人ごととは思えない」―阪神・淡路大震災を乗り越え、中小業者の復興に取り組んできた兵庫県商工団体連合会(県連)は1日から3日間、岩手、宮城、福島の3県を激励訪問。土谷洋男副会長(全商連常任理事)ら5人は物資を届け、「兵庫は全国の仲間からたくさんの勇気をもらい、生きる希望が持てた。希望を捨てずに力を合わせれば道は開ける」と励ましました。

陸前高田で懇談
 兵庫県連のキャラバン隊は3日、陸前高田民商を訪問。高台に新しい民商事務所が再建されたばかりですが、電気、電話敷設もこれから。自家発電で照明を確保するなど困難な状況は続いています。佐藤吉郎会長はじめ民商役員が兵庫の仲間を迎えがっちり握手しました。
 広さ8畳ほどのプレハブ事務所は、10人も入ればいっぱいに。佐藤会長は「会員の死亡・行方不明が14〜5人、事務局員が2人とも依然行方不明のなかで、県連の共済会名簿をもとに安否確認をしている。どこの避難所にいるかすら分からないので、商工新聞を届けながら安否確認を進めたい」と涙をこらえながら語りました。
兵庫の経験語り
 阪神・淡路大震災で、町中が破壊され、一時会員数が半減したものの、力を合わせ再建した長田民商からは粟田皓二会長が参加。「生きることが最優先なのだから、借金棒引き、車をよこせなど『こんな無茶言うても』と思う要求でも出すべき。会員・業者からつぶやきと要求を聞き出してほしい」と激励。兵庫民商の角元隆事務局長は「当時、公的支援はまったくなかったが、長く運動を続けて被災者支援法を実現させた。今、政府は農業や漁業への復興支援を検討しているので、中小業者にも支援させる運動を進めてほしい」と激励しました。
「頑張ろうかな」
 ホヤの輸出も手がけてきた陸前高田民商の熊谷直國さん(76)=海産養殖=は、津波で養殖用のいかだも、工場・倉庫も、すべて流され、ワカメの再生には1〜2年、ホヤは4年かかると説明。「みんなワカメから始めようかと話している。ホヤを再出荷するときには80歳だけど、頑張ろうかな」と語りました。
 漁業を営む佐藤会長は「息子が昨年2400万円以上をかけて建造した船が全損。しかし落ち込んでばかりではいられない。船さえあれば漁に出たい」と営業再建の意欲を表明しました。
 兵庫県連の村上健次副会長は「役員の皆さんも津波で家を失う被害を受けながら、会員を気遣い、民商の再建に向けて奮闘している姿に感動しました。仲間を思う気持ちは、民商をふたたび元気にさせる力になります。生活再建で政府が担う責任は大きい。皆さんを応援したい」と力を込めました。
 佐藤会長は「家も店もつぶされたにもかかわらず、立ち上がってきた兵庫の中小業者の底力を感じた。この励ましを力にしたい」と決意していました。
支援継続を計画
 キャラバン隊は、1日夜に神戸を出発、2日午前に宮城県連に到着。会員約20人が犠牲になった石巻民商を訪問し、女川町の避難所にも運んで来た物資を手渡しました。
 翌3日は、岩手県に入り、大船渡民商などを訪問。その後、福島県連を訪れ、原発事故の影響で、困難を極めている現状を聞き、今後の支援について話し合いました。
 兵庫県連は、このキャラバン隊の報告を受け、募金活動の強化とともに、被災各県連への、今後の支援計画を検討し、取り組んでいくことにしています。

全国商工新聞(2011年4月18日付)
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