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  トップページ > 震災情報のページ > 全国商工新聞 第2969号 4月 4日付
 
 

東日本大震災 中小業者の緊急支援を申し入れ

 東日本大震災による死者・行方不明は3万人を超え、被災地では懸命な救援活動が続いています。建設資材の確保ができないなど関連被害も広がっていることから、山形、新潟の両県商工団体連合会(県連)は被災地の深刻な実態を訴えるとともに、県内の中小業者への緊急支援を求めて県に申し入れました。

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吉村知事(右)に8項目の緊急要望を行った山形県連の遠藤会長

債務の返済猶予を=山形
 山形県連の遠藤強会長らは3月17日、「今回の震災は未曾有の大災害である」として、吉村美栄子知事に被災者支援をはじめ、実態に即した特別の措置を迅速・果敢に行うよう要請しました。
 被災直後に宮城県に3日間入った遠藤会長は、被害のすさまじさと、現地ではガソリンや生活物資が足りず、被災者への一刻も早い支援が求められていると強調しました。
 また、物流の停滞が広がり山形県内でも事業を継続できない業者が出ており「政治と行政の責任と役割が問われている」と、債務の返済猶予、生活資金の無条件・無利子貸付など8項目を緊急に要望しました。
 吉村知事は、県内の生活必需品が不足していることを認め、「県としても国に対して申し入れしている」と回答。引き続き県民生活の安定のために全力を挙げることを約束しました。
 この後、県生活環境部などでも交渉。佐藤部長は、福島第一原発の放射性物質汚染問題について「正確な広報に努めたい」と答えました。金融支援については「経営安定資金」を拡充し、被災企業と取引のある業者の救済も3月18日から受け付けています。

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被災者の救援とともに被害を受けている県内の中小業者への支援を求めた新潟県への申し入れ

関連被害へ対応を=新潟
 新潟県商工団体連合会(県連)は3月18日、新潟県に東日本大震災の被災者救援とともに、関連被害を受けている県内の中小業者への緊急支援を求めました。能登惣五郎会長をはじめ13人が参加し、産業労働部商業振興課・庭野芳樹課長らが対応しました。
 被災地の中小業者から「避難所に食料や水、医薬品、暖房用の灯油などが地震発生から数日経っても届かない。被災者の安否を確認するにもガソリンがなく、走ることもできない」「建設業者が復旧に向けての作業を進めようと思っても重機の油の確保ができない」などの声を紹介。対策を求めました。
 参加者は「被災地の取引先の入金がストップして支払手形が落とせず、金融機関への対応が間に合わない」「保証協会は、取引先が直接被災した場合は災害関連保証の対象になるが、間接被害の場合は認定が難しいと言っている」「今回の震災は一地域の問題ではない。既存の借り入れ返済も困難になっている。返済猶予や借り換えなど金融機関が柔軟に対応するように県が踏み込んだ施策を打ち出してほしい」「建築資材の確保ができなくて工事が施工できない。資材の買い占めも考えられる」「湯沢・魚沼では7軒の民宿だけでもキャンセルが1050件に上る。すでに食材などを確保しており被害は大きい。被災地からの避難者のための施設として県などが借り上げ、商売が継続できるようにしてほしい」などを要望。
 庭野課長は「年度末とも重なって中小業者の皆さんの資金繰りが大変ではないかと思っている。国全体の問題ととらえて、できることはなんでもやる。金融機関に対する申し入れなどもあらためて行い、金融の円滑化に県としても対応したい。災害対策会議にも皆さんから出された内容も報告し、全力で対応したい」「十日町・津南の被害は大きく、対策を強めたい」などと答えました。
 申し入れには、日本共産党の竹島良子県議、渋谷明治新潟市議団長も参加しました。

経験生かし被災地支援を=兵庫
 兵庫県連は3月22日に兵庫県、24日に神戸市に被災者支援策を抜本的に強めるよう緊急申し入れを行いました。神戸市への要望内容を紹介します。

  •  1、被災を経験した自治体として、市の総力を挙げて被災者の救助・救援を最優先する支援を行うこと。また、被災者のくらしの再建・被災地の再建がされるまでの支援を行うこと。
  •  2、支援物資は、区役所ごとに受入れ、一括して被災地に送る措置を取り、支援をしたいという神戸市民の願いを束ねること。
  •  3、被災地からの避難を積極的に受け入れ、被災関係自治体とも連携を密にし、神戸市に避難しても情報が十分行き届くようにすること。被災者支援策が受けられるようにすること。また、観光地のホテルや旅館などとも協議し、被災者を積極的に受け入れること。また、避難者の就労の機会も考え、長期避難を支えること。
  •  4、住居、仕事など、根こそぎなくなった被災者の生活再建に対し、住宅再建だけでない、生活費、生業にかかわる店舗・船の再建費用、農業・酪農の支援など、被災者生活再建支援法の幅を広げた適用を国に申し入れること。
  •  5、「安全神話」が崩れた原発事故の徹底した情報開示を国に求めること。また、既存原子力発電所の点検の徹底を求め、結果を公表するよう国に申し入れること。
  •  6、既存借入金の債務免除を金融機関に要請すること。また、信金・信組はじめ地域金融機関には、それが可能になるような支援を強化すること。また、緊急災害復旧融資は、画一的な書類の添付を求めず、本人申請で承諾するなど柔軟な対応をすること。
  •  7、被災地域におけるさまざまな税の取り扱いについて、無期限の納税の猶予の措置を取るよう国に申し入れること。
  •  8、いのちと健康を守る立場から、社会保険料、国民健康保険の保険料(税)と一部負担金についての免除措置を全半壊に限るなどの条件は設けず、無期限で行うよう国に申し入れること。

全国商工新聞(2011年4月4日付)
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