東北・関東で大地震、大津波
全商連が対策本部=募金、支援呼びかけ
3月11日午後2時46分、東日本大地震が発生しました。規模はマグニチュード9.0と世界最大級。岩手、宮城、福島県沿岸部は壊滅的な被害を受け、宮城県内だけでも死者は1万人を超えると報じられています。全国商工団体連合会(全商連)は12日、「地震対策本部」を立ち上げ、会員、事務局員などの安否確認と被災状況の把握に全力を挙げています。
津波が押し寄せてきた気仙沼市内。町は壊滅的な状態です(撮影=宮城県連・永沢利夫事務局長)
津波に飲まれ
宮城県連の伊藤貞夫会長は14日、支援に入った全商連の遠藤強常任理事(山形県連会長)とともに名取市、亘理、山元の両町を訪れ、被災した会員を見舞い励ますとともに被災実態をつぶさに見て回りました。
「こうちゃん農園」を営む赤間進さん(68)は、35アールのイチゴ農園すべてが津波に洗われました。「出荷の最盛期だったのに…」とため息。「来年の苗もダメになったし、土も塩水につかった。やり直すには少なくても2、3年かかる」と肩を落としました。
訪れる先々で話題になるのは会員の安否。「あの人は、避難所にいる。彼は姿が見当たらない」。そんな会話が途切れることなく、続きます。民商会員らが自宅に集まる山元町の荒川武さん(68)=寝具店=は「ガソリン、水、お金が足りない。電気も水も通っておらず、大きな支障が出ている。私たちは家が残ったが流された人たちはもっと厳しい」と話します。
訪れる先々で震災の爪痕が刻まれています。引き裂かれた木材や木片、ぐしゃりとつぶれた自動車の列、がれきや家庭用品が絡まり合い、破壊のすさまじさを見せ付けていました。
想像以上の被害
遠藤常任理事は「被害の深さ、広がりは想像以上。安否確認とともに全国的な支援を最大限に急いで行うことが必要だ」と話しました。
岩手県連では「3・13重税反対統一行動」の集会やデモの最中に大地震が起きました。壊滅的な被害を受けた沿岸部の陸前高田、大船渡、宮古民商では集会会場が丸ごと津波に飲み込まれました。
宮古では税務署前に集まっていたときに地震が起こり、会場はパニックに。現在、宮古市では市街地中心部への立ち入りは禁止されていますが、宮古民商の事務所は無事で、木村恒夫会長や木村明事務局長、深沢口ちせ事務局員の無事が確認されています。
また、久慈民商では会員の状況把握に努め、人的被害はないものの海岸沿いは6メートルの津波に襲われ、会員数人の住居が冠水しています。久慈市内は停電状態が続いていますが、ガスはプロパンのため暖は確保されています。
「国道45号、281号が通行止めとなっているほか道路が寸断され、10人くらい会員がいる野田村に入れない。早く安否確認をしたい。洋野町では係留されていた小型漁船の姿は津波でほとんどなくなっている」と清川洋事務局長は話しています。
福島県連ではいわき、相双民商の会員が津波の被害に加えて、福島原子力発電所の爆発事故で避難を余儀なくされています。
会員の安否確認を急いでいますが、ガソリンが売り切れ、動きたくても動けない状況が続いています。
困難な安否確認
青森・八戸民商は津波で大きな被害が出ていますが、多くの人は避難しています。八戸市湊、白銀地域にいる会員10人の工場、自宅などが津波の被害で建物はほぼ崩壊状況。市内は部分的に停電も解除されていますが、飲料水などは給水車が出て補給しています。
電話がつながりにくい状況が続いており、会員の状況が十分把握できずにいます。
りそな銀行目白出張所
普通 1236859(店番314)
全商連災害対策本部
本部長 国分 稔(コクブン ミノル)
|