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  トップページ > 税金のページ > 不公正税制 > 全国商工新聞 第2768号 2月19日付
税金 不公正税制
 
税源移譲と定率減税廃止で大増税
住民税は1.79倍に

国保や介護保険料もズッシリ
  「三位一体改革」による国から地方への税源移譲と税制「改正」により、今年から所得税と住民税が大きく変わります。政府・総務省や国税庁、自治体は「個人住民税の税率が10%に統一され、住民税が増えても所得税が減るため、納税者の負担は変わらない」と、新聞、テレビ、説明会などで大宣伝しています。しかし、本紙の試算によると、変わらないどころか、今年の負担は逆に前年比で大幅に増加することが分かりました。昨年、老年者控除の廃止や住民税の定率減税の半減などでお年寄りなど大勢が役所に押し寄せましたが、今年も同じような増税と負担増が続きます。政府の宣伝のまやかしを明らかにします。

 中小業者には 大きな負担増
 所得214万円(白色事業専従者控除86万円差し引き後)の事業主の場合(表1)、まず今年3月の確定申告(06年分)では定率減税の半減(20%→10%)の影響で、昨年よりも所得税は6200円増、さらに今年6月からの07年度住民税では、住民税の税率が2倍(5%→10%)になるため、昨年比でなんと1・79倍、3万5040円も多い税額を納めることになります。住民税・所得税の合計で1・44倍、4万1240円もの負担増です。年収500万円のサラリーマン(表2)の場合、1・48倍の10万1300円、年収200万円の年金生活者の場合、1・4倍の1万2970円もの負担増となります。
 一方、年収2000万円の高額所得者の場合(表3)、納税額は昨年とほとんど変わりません。

 「変わらない」宣伝はウソ
 政府が主張しているのは、住民税率を07年分から一律10%にしても、住民税率と所得税率を合わせた全体の税率が変わらないように、所得税率も6段階に変えるため、「年額の納税額は基本的に変わらない」というもの(図1)。
 しかし、総務省などの宣伝物では同時に実施される定率減税廃止の説明は意図的に小さく扱うなど、増税隠しです。
 また、所得税より住民税の方が基礎控除や扶養控除などの人的控除が低く、同じ所得金額でも住民税の課税所得金額が大きくなるため、所得税、住民税の税率変更に対応した「調整控除」(図2)分が住民税から税額控除されます。
 しかし、住民税の課税所得が13%から10%に下がる高額所得者(住民税の課税所得700万円超)は、図1のように税源移譲されると、07年分以降、たとえば年収2000万円の場合、7350円減税の恩恵を受けます。

 地方税の受益者 負担化が明確に
 住民税に連動する自治体の事業は数多くあります。
 例えば神奈川県の場合、19市のうち4市で国民健康保険料(税)と介護保険料が市・県民税に連動します。
 横浜市では今年、新たに見直された所得割と均等割により、試算(図3)によれば所得350万円ぐらいまでの事業主に最大約3万円の負担増が押し付けられます。
 算出基準である市民税がフラット化したことで、低所得者には負担増、高所得者には負担減となることが明確になりました。
 住民税のフラット化は自治体税財政における受益者負担化をより明確にしました。09年度「与党税制改正大綱」では、均等割の引き上げも検討されています。

 大増税に反対を
 増税反対、国民健康保険改善の要求署名で国民の声を広げ、大増税に反対するとともに、生活費に食い込む税金の減免措置などの施策の創設や拡充が求められています。
 
 
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