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  トップページ > 業種のページ > 住宅リフォーム助成制度のページ > 全国商工新聞 第3031号 7月16日付
 
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業種 建設土木
 

住宅リフォーム助成制度 全国533自治体で実施

 住環境の整備や地域経済対策などを目的とした「住宅リフォーム助成制度」の創設が、全国533自治体(3県、530市町村)に広がっていることが分かりました(7月1日現在)。全国商工新聞が各都道府県の商工団体連合会(県連)の調査などを基にまとめたものです。

 リフォーム助成の全国調査は04年12月に始まり、今回が7回目。第1回の調査(87自治体)と比べ、6倍と飛躍的に増加。同制度が地域活性化策として大きく広がっていることを示しています。
 制度創設にあたり、全国の県連・民商は建設関連団体との協力・共同を広げ、自治体への働きかけを強化。また、その活用でも、ビラを作って宣伝したり、制度の学習会を積み重ねるなど、業者自身の営業力を高めてきています。
 しかし自治体総数1789に対し、実施自治体は3分の1に到達したばかり。さらに制度の創設とその活用、制度そのものの改善を進めることが求められています。

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 リフォーム助成の全国調査は04年12月に始まり、今回が7回目。第1回の調査(87自治体)と比べ、6倍と飛躍的に増加。同制度が地域活性化策として大きく広がっていることを示しています。
 制度創設にあたり、全国の県連・民商は建設関連団体との協力・共同を広げ、自治体への働きかけを強化。また、その活用でも、ビラを作って宣伝したり、制度の学習会を積み重ねるなど、業者自身の営業力を高めてきています。
 しかし自治体総数1789に対し、実施自治体は3分の1に到達したばかり。さらに制度の創設とその活用、制度そのものの改善を進めることが求められています。

リフォームブームで地域元気=長崎・佐世保


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 「活用、改善すればするほど新しい仕事につながり、地域も元気になる」―。1年前にリフォーム助成制度を創設したばかりの長崎県佐世保市。今年4月には佐世保民主商工会(民商)の要望もあって制度を改善・充実させました。すでに来年の工事予約が入るほどリフォームブームが継続して起きています。

 「毎日20人ほどの市民が住宅リフォーム関連で役所に訪れるんですよ」。リフォーム事業を所管する産業振興課主任の古川剛主事は、その忙しさにも笑顔を見せます。市は4月に専属の嘱託職員を雇用したほど。改善された市の住宅リフォーム緊急支援事業がスタートしてからまだ3カ月弱ですが、同事業の交付決定補助金額はすでに5000万円を超え、予算(1億1700万円)の半分に迫る勢いです。
 佐世保市の住宅リフォーム助成制度が創設されたのは昨年4月。20万円以上のリフォーム工事を市内の業者に発注した場合、その費用の10%を助成するもの(上限10万円)。使い勝手のいい制度でしたが1年限りでした。民商は今年1月、制度の継続とともに、手続きの簡素化、内容の改善を要望しました。その結果、"改善リフォーム制度"では、予算を前年度当初予算の2・7倍に増やしたほか、提出書類を簡素化し、これまで設置工事費のみが対象だった給湯器本体も対象となりました。
 最大のポイントは「一度使った人でも年度が違えばまた制度を活用できる」というもの。いわば"リピーターをつくるリフォーム助成制度"です。

創意工夫で仕事確保へ

 業者の営業力を強化、創意工夫するきっかけを生み出すのもリフォーム制度の魅力です。工務店を経営しているNさん=建築=もその一人。制度の詳細が見られるよう自社のホームページに市役所のリンクを張ったり、チラシを作製して配るなど独自の挑戦を行っています。
 「事業主の魅力も伝えたいと思ってね。直接お客さんと話して責任をもって仕事をし、地域をつくる地元業者の仕事のきっかけになるこの制度はずっと続けてほしい」と力を込めました。
 「毎年制度を使えるのがいいですよね」と話すのは、すでに20件のリフォーム工事を受注したAさん=総合建築。制度確立や拡充を求めて市との懇談の先頭に立ちました。「改善リフォーム制度ができたことでリピーターのお客さんが増え、助成金の金額分で畳や外壁を新しくするなどの注文が増えた」と喜びます。
 リフォーム助成事業に関わる市のアンケート調査などによると、昨年制度創設をきっかけにリフォームを決めた市民は40%以上。支部役員会の話題の中で制度を知ったKさん=看板=も「制度があるうちに」と早速息子の家をリフォームしました。「次は自宅も」と期待しながら支部の仲間にも制度の活用を勧めています。

業者の9割効果を実感

 同調査によると活用した業者のうち、9割以上の事業者が制度の継続を希望しています。制度を活用する事業所の50%以上は従業員が「1人から4人以下の零細業者」ですが、売り上げが30%近く伸びたという事業者も。また、9割以上が「制度の効果有り」と回答するなど、リフォーム助成が地域経済全体を下支えしていることを示しています。
 市の試算でも昨年の経済効果は15倍。先の古川主事は「波及効果も見るとそれ以上になる」と期待します。一方、リフォーム工事を行っている市内の事業所は現在300事業所ほど(事業所比30%未満)で、新規に関わる事業所がまだ少ないのが課題の一つです。
 「この制度は地元業者の仕事をおこすための事業。もっと活用してもらうために民商の方にも協力してほしい」と話します。
 民商会長の上村英雄さん=家電販売=は言います。「貸家、店舗が制度対象になればもっと活用されるはず。きれいな貸家や店舗が多くなれば、佐世保に住む人や訪れる人も増えて街がにぎやかになる。同じ目的をもった仲間と一緒に懇談を続けて継続と拡充を求めていきたい」

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住宅リフォーム助成 使い勝手のよさ 普及の力に


 住宅リフォーム助成制度を全国に広げさせる大きな力となったのが、「宮古型リフォーム」と話題になった岩手県宮古市と秋田県の制度です。いずれも工事対象が幅広く、業者にとっても、住民にとっても"使い勝手がいい"ものでした。この二つの自治体の実績(2011〜12年度)を紹介します。宮古市は震災後、11年度で制度を終了しています。

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▼宮古市住宅リフォーム促進事業

 地域経済対策が目的。市内に住民登録し、自己所有の住宅に住んでいる市民が対象。市内業者による総工費20万円以上のリフォーム工事(備品購入以外はほぼ何でも可)を行った場合、一律20万円を補助するもの。申請手続きも簡素で、業者による代理申請も可。行政がチラシを全戸に配布。また業界を対象にした出前説明会を行うなど、制度を徹底した。業者も積極的に営業活動に取り組み、そのことで口コミによるリフォームの輪がさらに広がった。

▼秋田県住宅リフォーム緊急支援事業

 対象住宅は一戸建て住宅(併用住宅の場合は住宅部分が半分以上)か、マンションなどの共同住宅(占有部分のみ)。県内に本店がある建築業者と工事請負契約を結び、50万円以上の増改築・リフォーム工事を行った場合、工事費の10%(上限20万円)を助成するもの。対象工事は、門・塀・外溝工事などを除きほとんどが対象となっている。

全国商工新聞(2012年7月16日付)
 
   

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