全国商工新聞 第3352号2019年3月11日付
10月からの消費税10%への引き上げに反対する声が大きく広がる中で、今年の確定申告を迎えました。
国会では、厚労省の毎月勤労統計不正・偽装が発覚し、昨年の実質賃金が前年比マイナスだったことが明らかに。安倍首相が消費税を10%に引き上げる根拠の一つの賃金「上昇」が偽りであった以上、増税には全く道理がありません。実質賃金が下がり、消費が落ち込んでいる下で消費税を増税すれば、国民・中小業者の暮らしはもとより、日本経済に壊滅的な打撃を与えます。
アメリカからの兵器の爆買いも大問題です。第2次安倍政権発足後、軍事費は増え続け、中期防衛力整備計画に基づいて2019年からの5年間、史上空前の27兆4700億円を軍事費に注ぎ込もうとしています。1機116億円のF35戦闘機を最終的に147機体制にするなど、戦力不保持を禁じている憲法の下で、元自衛隊幹部からも「何に使うのか」と批判が上がるほどです。
消費税は2%の増税で年間5兆6000億円の増収が見込まれています。5年間で28兆円。今後5年間の軍事費に匹敵する金額です。消費税が、兵器の爆買いに充てられようとしています。
税務行政では、憲法で保障された生存権を脅かすような強権的な徴収や、納税者の権利を踏みにじる税務調査が横行しています。
こうした中で取り組まれる「3・13重税反対全国統一行動」は今年で50周年の節目を迎えます。
この行動は、1970年に第1回が開かれました。始まりは大阪でのたたかいでした。調査の立ち合い拒否や押し付け課税が横行し、税務当局に対する怒りが大きく広がった60年代。大阪では学習を重ね、「押し付け課税は申告納税制度の本旨から外れている。事前調査には応じない。自分の税金は自分で決めて自主申告しよう」との結論を導き、64年に大阪各地で決起集会を開いて税務署に向けデモ行進し、集団申告を行いました。その行動が全大阪統一集団申告行動として定着して全国に広がり、国民各層の怒りを結集する一大行動として発展。重税に反対し、税金の集め方、使い方の是正を求めてきました。
今、映画監督の山田洋次さんら10人が呼び掛けた「10月消費税10%ストップ!ネットワーク」の取り組みが各地に広がり、国会内でも10月から増税中止の一点で野党が結束してたたかっています。
「3・13重税反対全国統一行動」を大きく成功させ、10月からの10%への増税を必ず中止させましょう。