消費税調査 納得の終了

全国商工新聞 第3386号2019年11月18日付

「仕入税額控除否認」許さず

 税務調査を受けていた長崎・島原民主商工会(民商)のTさん=建築=は10月8日、納得できる内容で調査を終了することができました。民商の仲間の励ましと、請願書提出が大きな力になりました。
 税務署員がTさん宅を訪ねてきたのは2018年9月。すぐに同業者に相談すると民商を紹介され、入会しました。
 雲仙支部北野班で対策会議を開いて、納税者の権利を学習し、Tさんは調査に臨みました。1回目の調査は18年10月9日に行われ、6人が立ち会いました。
 調査対象は2015年から17年までの3年間の消費税。Tさんは税務署員に「なぜ自分の所に調査に来たのか、理由が聞きたい」と質問すると「所得確認のため」とだけ言い、守秘義務を理由に立会人の退席を求めました。
 その後、今年5月まで6回の調査が行われ、民商の仲間は別室で待機し支援。
 署員は立会人がいないところで「あの人たちは、よくないですよ」と言って、Tさんを動揺させようとしました。
 さらに本人の承諾なしに元請け会社への反面調査を行い、仕入税額控除を否認。2700万円を追徴しようとしました。
 Tさんは民商の仲間と相談し、6月に島原税務署に出向いて、「税務運営方針と憲法から逸脱した税務調査は行わないこと」などを求めた請願書を提出しました。
 9月に税務署から調査の連絡が入り、10月8日、民商の仲間の立ち会いの下で調査が行われました。Tさんは領収書を示して仕入税額控除を認めさせ、調査結果に納得して修正申告に応じました。

眠れない日々も民商で頑張れた Tさんの話

 税務署員と1対1ではどうすることもできずに言いなりになっていたと思う。立ち会いの皆さんがいてくれるだけで心強かった。
 毎日、まだ調査は終わらないのかと不安で、仕事中でも税務調査のことが頭から離れませんでした。調査期間中に母が倒れて入院し、心労が重なり、つらかったです。しかし、民商に入会したことで、頑張ることができました。
 これからは自主記帳・自主計算をしっかり学び、税務調査があったときは、自分も立ち会いに参加して当事者を励ましたいと思っています。

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