全国商工新聞 第3379号2019年9月30日付
地元金融機関と交渉する宮崎県連の役員
「収支内訳書の提出依頼」の発送が本格化することから、宮崎県商工団体連合会(県連)は9月4~6日の3日間、地元金融機関と懇談・交渉を行い、個人情報を取り扱う金融機関が納税者の承諾なく反面調査しないよう求めました。
県連からは浅井憲久会長はじめ延べ7人が参加し、宮崎銀行、宮崎太陽銀行、高鍋信用金庫の各本店を訪問。(1)反面調査の際は預金者(納税者)に必ず連絡を入れること(2)預金者の承諾のない反面調査には応じないこと-の2点を要請しました。
高鍋信金は「税務署は法的根拠(質問検査権の行使/罰則規定)を示してくるので、銀行側としては断る理由が思い当たらない」と回答。宮崎銀行や宮崎太陽銀行からも同様の見解が出されました。
反面調査の際、本調査と同様に税務署員は「調査の具体的な理由」は示しません。県連は「本調査も反面調査も犯罪捜査ではなく、納税者の理解と納得が前提の任意調査であること。反面調査にも個別具体的な理由が必要。その要件である『客観的にやむを得ない場合』とは調査の有無が前提で、申告納税制度の下では税務調査自体が例外措置である」と述べ、納税者(預金者)の保護に理解を求めました。
宮崎銀行は「反面調査の際は、事前に税務署が預金者に何らかの連絡を入れていると認識していた」と述べました。そこで、「今後、『税務署員が来ましたが、ご存じでしたか?』と預金者へ知らせることは可能なのではないか」とただしましたが、即答は得られませんでした。
県連では、横暴身勝手な税務当局の反面調査の是正、税務調査の適正手続きを守るために引き続き懇談・交渉を強めていくことにしています。