税務調査「民商は頼りになる」
納得の終了・消費税は26万円還付

全国商工新聞 第3371号2019年7月29日付

民商の仲間65人が支援

 岩手・一関民主商工会(民商)のTさん=土木工事=は2日、昨年9月から続いた事後調査の結果説明が行われ、所得税については追徴が出たものの、納得がいく金額に収まり、消費税では25万9600円の還付を実現しました。延べ65人の仲間が支援していたもので、Tさん夫婦は「何よりも民商の皆さんが支えてくださったおかげ。本当に感謝しかない」と笑顔で語っています。

 一関税務署から「調査に伺いたい」と連絡があったのは昨年8月。Tさんは「以前、友人が税務署によって散々な目に合わされた。調査官の好き放題を許さないためにも、一言(税務署に)物申したい」と調査に臨むことにしました。9月6日には、民商の役員らと3人で一関税務署に要請書を提出。(1)反面調査は絶対に行わないこと(2)家事関連費の案分を否認しないこと(3)調査官による高圧的な言動は絶対にやめること-などを要求。総務課長は「しっかりとご要望を受け止めます」と回答しました。その上で、調査官に高圧的な言動を取らせないよう指導することや、反面調査で営業と生活を壊すことはしないことなどを約束。Tさんは「これで一安心」と納得し、調査に応じることにしました。
 Tさん宅で行われた1回目の調査(9月11日)には、役員ら5人が立ち会いました。調査官に対しTさんが「なぜ自分が調査対象となったのか」説明するように要求。しかし、明確な答えはなく抗議しました。

領収書整理など継続的に支援

 その後、月に1度の頻度で調査が行われましたが、頻繁な請負内容の変更などがあったため集計に時間がかかり、調査がなかなか進まない事態に。役員を中心とした税対部は、調査がスムーズに行われるよう領収証や請求書などの整理をみんなで継続的に支援をしました。
 質問検査は8回に及びましたが、常に役員らが立ち会い、万全を期してきました。そして調査最終日の7月2日、調査官2人がTさん宅を訪れ、役員が見守る中、調査結果を説明。2016、17の2年分の所得税・消費税は追徴になったものの、15年分は経費漏れで消費税が還付に。Tさん夫婦は納得し、後日に修正申告を済ませました。
 Tさんは「たくさんの仲間の支えで、調査を乗り切ることができた。本当に感謝しています」と笑顔で語るとともに、「記帳はしっかりやっているつもりだったけれど、間違いが結構あった。これを教訓にして、より正確な記帳に取り組んでいきたい」と決意を語りました。また「会員になって長いけれど、あらためて『民商って良いものだ』そう思いました。みんなに今回の経験を伝えて、会員を増やしていきたいね」と話していました。
 Tさんを一貫して支援してきた役員は、「消費税の還付まで出るとはうれしい驚き。支部の仲間をはじめ、みんなが全力で支援したことが勝因。これを教訓として生かしていきたい」と笑顔で語っています。

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