全国商工新聞 第3370号2019年7月22日付
社会保険料の滞納を理由に、カード決済分の売掛金(約3万円)を差し押さえられていた京都・上京民主商工会(民商)のIさん=飲食=は上京年金事務所と交渉し、1日に差し押さえを解除させました。
弁当出前を主力とするIさんの店は、半年ほど前から自転車出前の「ウーバーイーツ」などの影響を受け、売り上げが減少。毎月発生する新規の社会保険料は払えていましたが、滞納分の保険料月1万5000円が払えなくなり、6月26日付けでカード決済分の売掛金が差し押さえになりました。
「カード会社との取引が中止されると、営業ができなくなる」とすぐに民商に相談。その日のうちに村上栄一事務局長と一緒に上京年金事務所に出向きました。
徴収職員は「毎月1万5000円の納付を約束したけれど、守ってもらえていなかった」と説明しましたが、Iさんは「差し押さえをする前に、電話をくれてもよかったはず」と抗議。「カード会社との取引中止は、営業を不可能にすることに直結する。もっと慎重にできなかったのか」と食い下がりました。
さらに「差し押さえを解除しなければ、年金事務所との信頼関係が壊れて、これ以上の納付ができなくなる」「滞納克服の道を閉ざすことは、行政にとっても不利益ではないのか」と迫りました。
年金事務所は、カード決済の売掛金を超える入金を条件にして、差し押さえを解除しました。
「経営の厳しさは続くけれど、納付計画通りに払えない場合は放置せず、行政に連絡をして誠実に対応し、乗り超えたい」とIさんは話しています。