全国商工新聞 第3359号2019年4月29日付
税務調査で修正申告し、地方税を一度に払いきれず悩んでいた宮崎・小林民主商工会(民商)のTさん夫妻=居酒屋=は3月26日、民商とともに換価の猶予を申請。29日には1年間毎月8万円での分納が認められ、延滞金も一部減免に。「商売に頑張りたい」と語っています。
昨年8月、税務調査を受けたTさん夫妻は、原始資料の保存が不十分だったことを理由に推計課税による修正申告を言われるまま作成し、国税(所得税・消費税)が約100万円の追徴に。滞納分は地元の金融機関から借金をして一括で支払いました。しかし、追い打ちをかけるかのように10月に地方税・国保の追徴を請求され、新規発生分と合わせて約200万円に。親族から30万円を借り、一部は納付しましたが、払い切れない状態になっていました。
「秋の運動」でその話を聞いていた民商は、今年に入って本格的に相談を受け、換価の猶予を申請しようと計画しました。Tさんが市役所の窓口へ申請書をもらいに行きましたが、職員から「そんな書類はありません。そもそもTさんは対象外です」と冷たい対応をされました。
3月19日に、Tさんと民商役員、地元の日本共産党市議2人も同席して担当部長・職員に換価の猶予について要請しました。職員は、換価の猶予の要件を淡々と説明し「Tさんは対象外である」と主張。しかし、「税務署は事後調査で発生した追徴税も、換価の猶予の対象にしているはずだ」と抗議すると、部長が席を外して小林税務署に電話で確認し、認識を改めました。職員に確認したところ、小林市はこれまで、1件も申請を取り扱ったことがないことも明らかになりました。
Tさん夫妻は3月26日、作成した申請書を提出。29日付で許可通知書が届きました。申請からわずか3日程度のスピード許可通知にTさんも驚きを隠せません。「経営がどうしても不安定だけど、昼間も働いて何とか分納で支払っていきたい」と心機一転、頑張っています。