韓国の税制視察など報告
新春学習会

全国商工新聞 第3349号2019年2月18日付

 不公平な税制をただす会は1日、国会内で「新春学習会」を開き、税理士や民主商工会(民商)などから、50人が参加しました。
 浦野広明・立正大学法学部客員教授(税理士)が「2019年度税制の動向」と題して講演。史上初の100兆円を超えた2019年度一般会計予算案について、新規国債が税収の52%を超えていることや、借金返済に充てる国債費が税収の約38%を占めることを解説し、「社会保障に予算が回らない構造だ」と指摘しました。消費税収の大部分が法人税減税の穴埋めと軍事費に消えていると指摘。応能負担原則に基づく、法人税の超過累進税率適用など税の取り方と、「すべての税金は福祉、社会保障目的税である」と憲法が要請する税金の使途について紹介しました。また、国税庁が密告制度を重視し、共謀罪、扇動罪などを含め、納税者監視を強化していることも話されました。
 元静岡大学教授の湖東京至税理士は昨年10月に実施した韓国の付加価値税視察について報告。税率が41年間変わらないことや付加価値税の税務調査が少ない点とともに、付加価値税が税収第1位となっている歳入構造や、付加価値税の滞納が多いことなども紹介しました。また、すべての商取引を把握する韓国のインボイス制度をめざす国税庁の危険な狙いについても警鐘を鳴らしました。
 税理士の菅隆徳さんが消費税に代わる財源として、法人税に所得税並みの累進課税を導入させ、試験研究費の税額控除などの大企業優遇税制を廃止することで、19兆円の財源ができると提案。近代憲法が確立した「資力に応じた税金を払う」考えを継承した日本国憲法の条文を解説し、「応能負担の原則をゆがめずに、税制に適用する必要がある」と訴えました。

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