全国商工新聞 第3337号11月19日付
諫早、西彼民商が合同で開いた事後調査対策会議
長崎・諫早、西彼の両民主商工会(民商)は10月26日、事後調査対策会議を開き、17人が参加しました。諫早税務署管内で2件の税務調査が発生し、合同で開いたもの。「自主計算パンフ」などを使って税務調査の心得や納税者の権利、仲間の立ち会いの意義などについて学び、当事者が納得して調査を終えるようにみんなで励まし合って支えていくことを確認しました。
調査になった一人は、諫早市内で内装工事を営む30代の業者。10月5日に諫早税務署員から携帯に電話が入り、「申告内容を調べたい。来週時間が取れないか」と言われましたが、「仕事中なのですぐに返事はできない」と言って電話を切りました。
不安になって知り合いに相談したところ「それなら民商がいい」と聞き、ネットで調べて全商連のホームページにたどりつき、諫早民商に相談、入会しました。
もう一人は土木業の西彼民商の会員。10月1日にいきなり署員が自宅を訪ねてきました。妻が療養していましたが、しつこく呼び鈴がなるので、玄関を開けると税務署員がいました。「事前通知についてお伝えしたい」と書いた連絡票を置いていきました。
対策会議では税務調査を受けた役員が自らの体験を報告。諫早民商の真崎卓治会長は「元請けへの反面調査から税務調査になり、民商で納税者の権利などを学び、たたかったことで自分がどんどん強くなった。税務署が勝手に銀行に反面調査をしていると分かった時は、すっ飛んで行って追い返したり、署員の不当な行為には税務署に押し掛けたりして抗議した」、諫早民商共済会の大木進理事長は「私も元請けへの反面調査がきっかけで調査になった。職人同士のグループで仕事を請け負い、そのグループ長だったので、まとめて振り込まれてきた職人の給与を売り上げとみなされて消費税を課税しようとしたので、職人の給与と強く主張し最後までたたかった」と話し、「一緒に頑張ろう」と2人を励ましました。
「自主計算パンフ」を使って、税務調査は納税者の理解と協力を得て行われる任意の調査であること▽調査理由を明らかにさせて税務署の一方的な調査にならないよう仲間の立ち会いを認めさせ、納税者の権利と主張してたたかう▽調査は仕事に支障をきたさない範囲で日時を決め、無理な調査日程は組まない。調査の時間は長くて2時間▽結論を急がず、納得のできる結果で終われるようにする▽税務署の誘導に惑わされず、民商の仲間と密に連絡を取る-などを確認しました。