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原油・原材料の高騰問題と対策のページ
 

国交省に原油高騰で運送業への救済要望


 全国商工団体連合会(全商連)は2日、トラック運送業の燃料サーチャージ問題について国土交通省と懇談しました。同省が3月14日に発表した緊急ガイドラインの内容について説明を受けたものです。
  燃料サーチャージとは燃料価格の上昇・下落によるコストの上限分を別建ての運賃として設定する制度です。
  全商連は昨年来、原油高騰被害を救済する運動の一環として実現を求め、同省は「検討していきたい」と回答していました。
  ガイドラインはこうした声が反映したもので、適正な運賃への改善が期待されます。全商連はガイドラインを積極的に活用することを呼びかけています。
  軽油価格は03年まで1リットル64円ほどに安定していましたが、原油高騰の影響を受けて110円ほどにまで上昇。1リットル1円上昇すると約160億円の負担が発生すると推計されています。運送業者は値上がり分を価格に転嫁できず、自ら負担せざるを得ない状況に追い込まれ、運賃の「買いたたき」など不正な取引の実態も明らかになっていました。
  同省はこうした事態を重要し、「是正を図ることが急務で運賃の適正化が不可欠」と位置づけています。
  ガイドラインでは距離別や時間制の燃料サーチャージ額の算出例などを示しています。燃料サーチャージを設定・変更する場合、荷主と制度導入について協議・交渉し、導入後は30日以内に運賃料金設定(変更)届を国土交通省地方運輸支局などの窓口に提出します。白ナンバーでも適用できます。
  また、ガイドラインでは取引上の問題点と望ましい取引形態の実例を示し、適正な取引を推進するため、中央・地方で同省、荷主、元請け事業者、下請け業者間の会議を開き、体制を整えるとしています。
  説明を聞いた埼玉・本庄民主商工会(民商)のIさんは制度導入を歓迎しつつも「運賃の価格競争が激しくなるなかで、中小業者は荷主と対等に交渉できない状況に置かれている。サーチャージ制度を導入することで、基本運賃が引き下がる恐れもある」などの問題点を指摘しました。
  同省は「適正な取引が進むように経団連やユーザーなどを回って制度への理解を求めている。相談窓口などを設け、運送業者からの相談に乗っていきたい」と答えていました。