全国商工新聞 第3388号2019年12月2日付
「被災者に寄り添い、要求解決のために全力を挙げよう」とあいさつする全商連の橋沢政實副会長
全国商工団体連合会(全商連)は11月16日、東京・目白の全商連会館で「台風19号被害からの復旧・復興をめざす対策交流会」を開き、現状を交流するとともに今後の運動方向について意思統一を図りました。12県連から31人が参加し、全商連からは橋沢政實副会長が出席しました。
橋沢副会長は、台風直後から行った民主商工会(民商)会員・業者訪問を振り返り、「佐原民商ではまったく被害を受けなかったのは140人のうち3人だけだった。中には3回も農業用ハウスの屋根を飛ばされ、心まで折れたという人もいた。復興に向け被災者に寄り添い、要求解決のために全力を挙げよう」とあいさつしました。
交流会では、これまでの補助金活用の経験から学ぶために、岩手・一関民商の山口伸事務局長が、被災した中小業者が使える補助金のうち「小規模事業者持続化補助金」の制度概要と採択を受けるための注意点について説明。続いて、広島民商事務局員の高岡宣さんと福山民商事務局員の川崎芳樹さんが「グループ補助金」獲得についての経験を踏まえポイントを解説しました。
全商連の中山眞常任理事が、国の「対策パッケージ」の主な内容や、この間の中小企業庁交渉と国会質問等により講じられてきた成果を紹介し、今後の運動方向として、(1)被害の実態を聞き取り、損害額まで明らかにする(2)支援制度を知らせ相談に乗る(3)集約した実態と要求を行政に届け、支援拡充を図る-の3点を提起しました。
宮城・仙南民商事務局長の小室さとみさんは「高齢の被災業者が事業計画を策定していくことは簡単なことではないので、使いやすい補助制度の創設も求めていきたい」。埼玉・川越東松山民商の野口光男・副会長は「自動車・トラックなど18台が浸水し数億円の被害になりそうな業者も。グループ補助金の活用へ、会外にも目を向け取り組みたい」。栃木県連の山本真由美事務局長は「鹿沼ではまだ断水が続いている地域も。被害状況を早急に掌握し、グループ補助金に挑戦していきたい」など決意を述べました。
最後に、中山常任理事は、民商関係の被災者が7県だけで937人に上ることに触れ、全商連の「地域復興をめざす緊急提言」など政策提案も活用しながら、復興を諦める被災業者を出さないように力を尽くそうと呼び掛けました。
高岡さん、川崎さんは地元で集めた救援募金を橋沢副会長に手渡しました。