条例に基づき業者支援拡充を
広島県連、県に政策提言

全国商工新聞 第3385号2019年11月11日付

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中小業者支援の拡充を訴える広島県連の加賀茂会長

 広島県商工団体連合会(県連)は10月3日、「広島県中小企業・小規模企業振興条例」に基づく支援団体として、小規模企業・家族経営者の振興と施策の拡充を求め、広島民商事務所で広島県と懇談を行いました。
 加賀茂県連会長はじめ、宮本準次、藤井賢二郎、坂井哲史副会長ら役員・事務局員16人が参加し、県からは商工労働局の総務課長をはじめ10人が応対しました。
 10月からの消費税増税、複数税率等で混乱が予想される中、総合的な相談窓口設置の要望については、「国の所管であり、県として責任を持った回答は難しい」としながらも「相談についてはしかるべく窓口を案内するようにしたい」と回答。三原民商の寺田拓也事務局長は「インボイス制度が導入されれば、多くの小規模事業者は廃業の危機に陥る。県としても県民・県内小規模事業者に制度を周知し、インボイス制度の是非を判断できる材料を提供すべき」と求めました。
 グループ補助金制度のさらなる改善要望について、担当課は「補助金という性格上、厳格な審査もある。皆さんの意見も踏まえ国への要望も行う」と述べました。
 住宅・店舗リフォーム助成制度や小規模修繕希望者登録制度の創設など、地域循環型経済のための仕事おこしの要望については、「公平性の観点から、消費税、県民税の完納要件を求めている」と従来通りの回答を示しました。
 「地元業者に発注することで後継者育成の力にもなる」「地域の信頼を裏切るようなことは業者にはできない。もっと信頼してほしい」などの声も出されました。
 懇談では、高すぎて払えない国保料・税の引き下げや、中小業者の実態調査、熊野筆や備後表、琴など県の伝統文化の承継への支援も要望しました。
 佐々木克義さん(三次民商)は、「民商の事務所に県の職員が来て、自由に意見を交わすことができるのはすごいことだと思う。地域で頑張っている業者の一人として今後も意見を述べていきたい」と話します。藤井副会長は、「昨年の7月豪雨後の私たちの取り組みも評価され、民商・県連が中小業者に寄り沿った団体と認識されてきており、喜びとともに大きな責任を感じる。政策提言は『思い』を伝えるだけではなく、どうしたら実現できるかも考え、行いたい」と感想を話しました。

広島県中小企業・小規模企業振興条例

 2017年10月に「広島県経済の発展及び地域の活性化のためには、小規模企業をはじめとする中小企業の振興が不可欠であり、中小企業・小規模企業の振興を県政の重要課題として位置づけ、施策を総合的に推進していくため」に、制定。16条で「県は、中小企業支援団体等から意見を聴取するための会議を定期的に開催し、中小企業・小規模企業の振興に関する施策に反映するよう努める」としています。民商・広島県連は条例に基づく中小業者支援団体として認定されています。

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