町全体で小企業を応援
小規模振興条例を制定

全国商工新聞 第3358号2019年4月22日付

懇談重ねて実現

 長崎県波佐見町は「波佐見町中小企業・小規模企業振興基本条例」(振興基本条例)を4月1日から施行しました。長崎・東彼民主商工会(民商)が4年にわたり粘り強く要請を続けていたもの。3月議会では担当課長が「民商から要望があったこともあり、条例をつくることにした」と提案。全会一致で採択されました。

全会一致で採択

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波佐見町(左側)と懇談する東彼民商の役員

 同条例の目的は「中小企業者等の役割を明らかにすることにより、中小企業等の経営基盤の強化と健全な発展を図り、地域経済の活性化及び地域社会の持続的発展と町民生活の向上に寄与すること」。
 基本理念、基本的施策とともに、町の責務、中小企業者や中小企業団体などの役割を定め「中小企業等の振興に関する施策を町全体で協働して推進する」としています。
 民商は2014年に小規模企業振興基本法が成立・施行されたのを受け、同年11月、町との懇談で振興基本条例の制定を要望。以来、毎年行ってきた懇談を通じ、条例制定を求めてきました。
 18年11月19日の懇談では条例制定とともに、(1)住宅リフォーム助成制度の継続(2)商店版リニューアル助成制度の創設(3)町の実情に合った空き店舗対策(4)条例制定後の振興会議設置と同会議への民商の参加-なども提案。この中で戸崎和久会長は、消費税率の10%への引き上げで、中小業者は大きな打撃を受けることに触れた上で、「地域経済の振興に対する思いは行政もわれわれも同じ」とし、条例制定による地域経済の活性化を求めてきました。

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