実効性のある振興条例を
小企業の役割明記求め市と懇談

全国商工新聞 第3345号2019年1月21日付

気仙沼市と懇談

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2月議会に提案される中小企業・小規模企業振興条例について意見交換する気仙沼本吉民商の役員ら(右側)

 宮城・気仙沼本吉民主商工会(民商)は12月21日、民商事務所で気仙沼市担当者から2月議会に提出予定の「中小企業・小規模企業振興条例」(案)の説明を受け、2時間にわたって懇談しました。

 中舘会長が「地元業者はいま大変な状況にある。この条例で若い人が帰ってくる街にしていただきたい」とあいさつ。市の担当者は「市長も魂のこもった条例にしたいと話している。ご協力を」と語りました。
 市担当者が条例案について概要を説明。その中で、中小業者支援団体にも触れ、「当然民商さんも入る」と述べました。その後、民商が事前に準備していたパブリックコメントに沿って、(1)市民の暮らしを直接支える小企業の視点を入れる(2)地域内経済循環の強化を市の責務とする(3)一定期間で見直す基本計画を策定すること-などを提案しました。
 また、「外国人労働者の活用促進」「職業観や勤労観を育成するキャリア教育の推進」について、その真意をただすとともに「市内の若年労働者への支援が弱くなるのではないか」と指摘。「ローカルファースト」との言葉についても「この条例にはふさわしくないのでは」と問題提起しました。
 市側は、民商が提案した市内の小企業(小規模企業以下にあたる従業員5人以下)の数にあらためて注目し、「(小企業の位置づけについて)持ち帰って検討したい」と表明しました。
 民商は5年前の13年6月、市に振興条例制定を提案。昨年4月の市長選で当選した菅原茂市長は選挙で制定を公約し、「19年2月に条例(案)を提案し、4月に施行したい」と明言していました。

市の公共工事分離発注する 民商の要請に回答

 これに先立ち民商は12月3日、振興条例の制定とともにリフォーム助成事業の継続、市民病院の対応改善など15項目の要望を掲げ、気仙沼市と交渉しました。
 市はリフォーム助成事業について「一定の成果もあり、今後も需要がある」と継続を約束しました。市が発注する公共工事については「可能な限り、分離発注し、地元業者の受注機会の増大に努める」とし、小学校の通学路の改修やトイレの改善・改修についても「すぐ修繕する」と答えました。

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