全国商工新聞 第3344号2019年1月14日付
地域循環型の中小企業施策の拡充などの要請書を手渡す久保田憲一京商連会長(左)
京都府商工団体連合会(京商連)と京都市内の民主商工会(民商)は12月11日、「中小企業・小規模企業振興基本条例」の制定などを求め、京都市と懇談しました。京商連の久保田憲一会長ら12人が参加しました。
要望したのは、(1)条例制定と市民に開かれた「策定会議」の設置(2)住宅リフォーム助成制度創設、地域循環型の観光政策への転換(3)公立学校のブロック塀改修工事の地元中小業者への発注や制度融資の「あっせん方式」復活による中小企業者への直接支援(4)災害に強い街づくりと、店舗・工場など事業用資産や設備への支援-など20項目。
懇談前日の10日に「『地域企業の持続的発展に関する条例』(仮称)の骨子案」について、京都市がパブコメを募集したこともあり、骨子案をめぐって突っ込んだ意見交換を交わしました。
この中で中小企業振興課長は「中小企業未来力会議で延べ1164人の意見を集約し、策定した」と説明。しかし参加者は、「骨子案は支援対象に大企業が含まれかねない構造」「中小業者や市民の代表で構成する振興会議の設置規定もない」などと指摘。「結論を急がず、幅広い意見を中小業者から集めるべき」と要望しました。
制度融資の「あっせん方式」復活については、金融機関に丸投げする「預託金方式を続ける」と回答。災害支援における市独自の事業用補助金制度の創設・拡充についても「予算上不可能」と答えるなど、市民の願いに背を向ける対応に終始しました。