全国商工新聞 第3330号10月1日付
「民商・愛知県連は中小業者の支援団体」と明確にした愛知県との交渉
愛知県が、愛知県商工団体連合会(県連)を「中小業者施策推進のための支援団体」と位置付けていることが、9月12日の県交渉で明らかになりました。県側担当者が明言したもので、これで県連を条例上の支援団体と位置付けたのは、群馬、静岡、奈良、広島に次いで5県になります。
県交渉には県内民主商工会(民商)から42人が参加。事前に提出していた「2019年度予算編成にあたっての要望書」への文書回答に基づいて意見を交わしました。
服部守延県連会長が「大村秀章知事はリニア、ジェットなど大企業本位の県政を進めようとしているが、振興条例に沿った中小業者施策の充実を一緒に考えたい」と語りました。
税金の強権的徴収問題では、尾北民商会長が「県税事務所へ事業税を分納している会員が、担当者が代わった途端に『3回で払え、それ以外は相談に乗らない』と言われた」と告発。約束をほごにする行政は間違っている、と指導の徹底を求めました。
県連の杉本洋副会長は、法的根拠のない滞納整理機構をすぐに解散させること、換価の猶予等の納税緩和措置の積極的な活用を行い、自治体による人権無視の徴収を指導するよう要望。県側は「指導はできないが、自治体とは研修を行うなど連携を強めたい」と回答しました。
居酒屋を経営する津島民商の会員は、保証協会に融資を申し込んだら、客とカラオケのデュエットをするかを問われ、「デュエットするなら風営法許可が必要で融資できない」と言われた体験を紹介。「ウチは居酒屋。風営法の許可は必要ないし、なぜ保証協会にそんなことを言われるのか疑問」と、対応を求めました。
国保の県単位化で約半数の自治体で保険料が上がった問題で(1)国に加えて、県の一般財源で保険料を引き下げること(2)誠意ある滞納者に、短期保険証や資格証明書の発行を行わないこと-を要望。県は「保険料(税)は自治体が決める権限を持っている。国に対して、激変緩和措置や財政補助などを要望していきたい」と回答しました。
最後に、愛知県連は、県中小企業振興基本条例に規定された「中小企業に関する団体」かどうかを質問すると、県産業労働政策課は「県内事業所の99・7%が中小業者。私たちは小規模事業所への支援こそ必要だと考えている。地場産業の育成や販路拡大など支援施策の充実を図っていきたい」と回答。その上で「皆さま方は、中小業者施策の推進のための支援団体だと認識しています」と明確に回答しました。