全国商工新聞 第3381号2019年10月14日付
台風15号で骨組みがゆがみ破損したビニールハウス
台風15号の被害が広がっています。茨城県神栖市はピーマン作付面積・出荷量ともに全国1位を誇っていますが、秋ピーマンの収穫目前での台風通過により大きな被害がもたらされました。鹿行民主商工会(民商)は9月12~14の3日間、関口正司会長を先頭に、40軒を超えるピーマン農家の会員を訪問。お見舞いを伝え、被害状況を聞き取り、不安の声に耳を傾けました。
Yさんの施設では11棟あるハウスのほとんどのビニールがはがれ、骨組みにゆがみが生じていました。一部補修が終わったものの、骨組みごとねじ曲がった3棟のハウスは修理不能で解体するしかないとのこと。「今期は通常の2~3割収穫できるかどうか。後継者がおらず場合によっては廃業も考えざるを得ない状況だ」と語りました。
県産業経営課によれば茨城県のピーマン被害額は約1億4500万円(9月20日発表資料)。秋ピーマンは9月~12月初旬にかけて収穫・出荷されますが、生育中の茎・葉に損傷を受けたことから、品質や出荷量に大きな支障が出る見通しです。
農業以外でも、「瓦が飛んで雨漏りしている。瓦が足りなくていまだに直せない」「カーポートが全壊した」「プレハブ小屋の屋根が吹き飛んだ」など報告が寄せられています。
関口会長は「市や県へ要請はもちろん、国会議員にも要請を行った。1日も早い復旧で地域を支える地場産業・中小業者の暮らし・経営の立て直しを支えたい」と話しています。