全国商工新聞 第3381号2019年10月14日付
質問する畑野君枝衆院議員(共産)
台風15号による営業損害等の被害を明らかにするため千葉県商工団体連合会(県連)と民主商工会(民商)は、「商売・くらし影響調査」の取り組みを進めています。日本共産党の畑野君枝衆院議員、武田良介参院議員は、県民・中小業者から寄せられた要望や独自の被害実態調査を踏まえ、1日の衆参両院の災害対策特別委員会で質問。政府に実態に即した対応を迫り、「瓦屋根の修理について特例」や「(被害認定の)弾力的な運用について通知を行っていく」などの貴重な成果を引き出しています。具体的要望事項とポイントとなる政府答弁(要旨)は、以下の通りです。
瓦屋根が飛ばされビニールシートが張られる住宅=千葉県鋸南町、9月22日
畑野議員 災害救助法が千葉県に適用されたのは9月12日。それ以前にも自治体の支援が行われているが適用はどうなるのか。
武田良太防災相 9月9日にさかのぼって法が適用される。災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与の検討が必要。被災者や市町村のニーズを聞き取りながら適切に支援していきたい。
畑野議員 被災農業者、被災中小業者に対する支援にどのように対応するのか。
岩浜洋海審議官 農地や農業用施設の被害は災害復旧事業の早期実施、農業用ハウスについては損壊したすべての被災農家を支援できるよう、強い農業担い手づくり総合支援交付金のうち被災者農業者支援型を発動する。
奈須野太部長 被災された中小企業が、希望を持って事業を再開できるよう、被害の状況に応じて必要な支援を講じる。千葉県の被災中小企業の支援については、資金繰りや災害復旧貸付を拡充して適用する。また、持続化補助金を拡充し直接支援を実施する。
畑野議員 屋根瓦の補修に国の支援を。
真鍋純参考人 一部損壊にも何らか支援できないか検討し、自治体が被災した住宅の耐震性向上などに資する補修について支援を行う場合に国が防災・安全対策交付金の効果促進事業の対象とする。これにより瓦屋根の修理・改修を被災自治体が支援する場合の実質負担は1割になる。
武田議員 内閣府が9月20日付で市町村担当部局長あてに出した事務連絡(住宅の被害認定調査の弾力的運用)は徹底されているか。
青柳一郎統括官 台風後の降雨被害を加味し、屋根、天井等の損傷面積については実態に即した評価を実施するようにした。瓦屋根等に相当程度被害があって、室内が雨水で浸水したような場合にはおおむね半壊であるし、屋根が吹っ飛んだようなものは大規模半壊あるいは全壊となる。屋根、天井等の損傷面積率も柔軟にするという弾力的な運用について通知した。