実態示し要求実現へ
各地の民商自治体懇談

全国商工新聞 第3356号2019年4月8日付

小規模支援拡充求め 仕事おこしなど要望

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国保税引き下げなどを求めて愛川町と懇談する厚木民商役員ら

 神奈川・厚木民主商工会(民商)は先ごろ、厚木市、愛川町と仕事おこしや国保問題などについて相次いで懇談しました。23人が参加しました。
 懇談は、2014年に成立した「小規模企業振興基本法」に基づいてつくられた自治体の「基本計画」の評価や施策の充実のために毎年開催しているもの。
 厚木市からは産業振興課など7課から9人が、愛川町からは、商工観光課長ら8人が出席しました。

店舗改修「検討」 厚木市

 厚木市に対しては、2011年から2年間実施され、市の試算でも経済波及効果は約26倍となっている「住宅リフォーム助成制度」の“復活”を要望。市側が「復活は考えていない」と回答したのに対し、「当時の助成制度でトイレを直して感謝している。復活すれば業者も市民も喜ぶ」と、再度復活を求めました。
 魅力ある地域づくりにつながる「商店リニューアル助成制度」の創設については、市が行った小規模業者のアンケート調査でも「制度があれば活用する」との回答が4割に上ったことを指摘。「業者のニーズはある。ぜひつくってほしい」との要望に、市は「まちづくり計画の改定期に合わせて、引き続き検討する」と回答しました。

減免基準「緩和」 愛川町

 愛川町では、国民健康保険(国保)や消費税問題を中心に懇談しました。
 国保の都道府県化に伴って19年度に4年ぶりの国保税見直しを議会に提案している最中ということもあり、参加者は「モデル世帯の国保料(税)試算で、国保は協会けんぽより約6割も高い。財政調整基金など積立金の活用と国庫支出の大幅増額要求で国保税を下げてほしい」と要望しました。
 町は、生活困窮者の減免基準について「最低生活費の120%以上を130%以上に引き上げる」など、基準の緩和を実施することを明言。また国保の資格書の発行については「発行していない」と答えました。
 消費税の10%引き上げに伴う中小業者への影響については「軽減税率やインボイス制度、キャッシュレス決済のポイント還元で事業者に多大な負担が生じる」との認識を示しました。
 参加者から「自治体と意見交換し、中小事業者の実態や要望を伝えることが大切であるとあらためて感じた」などの感想が出されました。

助成金創設を検討 東松山市が回答

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小規模事業者への施策拡充を求め、東松山市と懇談した川越東松山民商

 埼玉・川越東松山民主商工会(民商)は3月19日、東松山市と小規模企業振興基本法に基づく施策、国保・市税滞納整理などについて懇談を行いました。民商から9人が参加し、中小業者の厳しい現状、地元中小業者への支援の要望など意見交換しました。 
 商工観光課では、埼玉県が2017年に小規模企業振興基本条例を制定したことに関わり、地元自営業者が地域経済の一翼を担っていることを認め、商店街や商工会などに所属していない業者も使える助成金の創設を検討していることを明らかにしました。
 課税課では、国保短期保険証の窓口留め置きが、昨年4月時点で108件となっていることについて、野口光男副会長が「医療を受ける必要が生じ、医療機関に医療費の一時払いが困難な時、市町村に申し出をすれば短期被保険証の交付ができる」とした09年の閣議決定を示し、是正を要求。市は、「滞納者に対しても短期証を交付し、納付の話し合いを行いながら医療の確保に努める」と回答しました。
 そのほか、下田明成会長が個人情報が漏洩するマイナンバーの脆弱性について指摘。高過ぎる国保料の引き下げも訴えました。所得税法56条と消費税増税中止を求める国への意見書採択、後期高齢者医療制度の自己負担率削減、食の安全など要望は多岐にわたりました。

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